脱力と力の効率を整理する。(脱力の誤解)

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私はクラシックギターの演奏における脱力について、誤解していました。
その気付きを記事にまとめます。

その他の脱力に関する記事はこちらです。
演奏における脱力とその方法を考える。
楽器演奏における脱力方法、力みの対策を考える。(思考編)

この記事でわかること

効率良く、大きな力を生むべき

ギターはそれほど大きな力を必要とせずとも弾けてしまうものです。
ウエイト競技や格闘技、球技等のスポーツと比較すると一目瞭然です。
自分の限界が数値化されたり、相手がいる場合は限界の力を発揮する必要があります。

ギターの最大音量(フォルテッシモに)必要なエネルギーは、短い時間、少ない回数なら誰でも出せてしまうものです。
自分の身体の持つエネルギーを効率良く伝えることを忘れがちのように思います。

どうやって「楽」に弾くか?

ギター演奏は大きな力が要らないがために、「効率良く大きな力を出すこと」を忘れ、どうやって「楽に弾くか」に着目しがちです。

スポーツや格闘技で例えるとすれば、「棒立ちの状態」が単純に「楽」な姿勢です。
しかし、対戦相手やボール等の対象に大きなエネルギーを伝えるとしたら、いわゆる「パワーポジション」の姿勢を取るべきです。

楽器演奏とスポーツは、身体を効率的に動かすという点において同じと思っています。
ギターだけが例外で単純に「楽」な姿勢を取るべきとは思いません。
(ギターはスポーツじゃないよ、という方もいるでしょう)

どんなフォームでもある程度は弾ける

足を組んだり、支持具を使ったり、どんなフォームであっても元から弾ける人は「普通に」演奏できます。
繰り返しですが、ギター演奏にそれほど大きな力は必要ありません。

ただ、効率良く大きな力を発揮できることによって、音に余裕や伸びやかさがあるか、長時間の演奏に耐えられるか等の違いが生まれます。

残酷な話ですが、音の違いや肉体の感覚などの細かい違いについて、ほとんどの人は違いを感じ取れません。
(ギターに支持具を使った場合の音の変化や、身体のどこの筋肉が動いているか等)
それに比べれば「今、力が抜けていて楽だなあ」は誰でも簡単に分かりやすいです。
だからこそ、「達人」「音に対する感性が優れている」ことに価値が生まれます。

脱力に対する現時点での結論

これまでの記事で、脱力については「力みに至る思考」と「本人が脱力しようとしなければならない」点について書きました。

今回の気付きにより、「少ない労力で大きな力を発揮しているかどうか」が脱力するためのチェックポイントに追加されました。
(脱力する時間がない場合は、そもそも頑張っていなければよい)

高速道路を走る際は排気量の大きい車の方が楽であるように、演奏においても余力を持った状態で取り組むべきです。
つまり、理屈の上では、下記を達成すれば力みません。
筋肉が固着してしまうほど大きな力を出す状態を作らない=大きな力を小さい労力で出せるようにする

要は、正しいフォーム、効率的な身体の使い方が出来ているかというだけの話です。
当たり前の話と思うでしょうが、能力の向上に終わりはありません。

今回の記事は以上となります。

最後までご覧いただき、誠に有難うございました。

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この記事でわかること