【失敗しない選び方】初心者におすすめのクラシックギターメーカー5選を価格ごとに紹介

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この記事が役に立つ人

  • 初めて買うクラシックギターを探している
  • ギター選びで失敗したくない
  • クラシックギター選びに必要な基礎知識が知りたい

この記事では、初心者におすすめのクラシックギターを価格別に紹介します。

私はギター歴10年以上、300万円のギターを所有しているクラシックギター専門家です。
(このブログのトップ画像は知人の楽器でして、500万円以上の価値があります)

ネット上の「初心者向けクラシックギターに関するランキング記事」を読みました。
クラシックギターの知識が無いライターが書いている記事が多いです。
例として、以下の誤った情報がありました。

  • クラシックギターのネックが太いのは、弦同士がぶつかるから
    (ぶつかりません)
  • ラッカー塗装は使えば使う程、音が良くなる
    (悪くなります)
  • ナイロン弦はスチール弦より柔らかく押さえやすいので、弦高は気にしなくても良い
    (弦高が高いと弾きにくく、音にも影響があります)
  • ヤマハのギターは安定感があって音がブレない
    (そもそも音がブレるとは?)
  • 松(スプルース)はほとんどがシトカスプルースを指す
    (ジャーマン・イングルマンなど、様々な種類があります)

ネット上には間違った情報が多く、ギター購入の参考になりません。
そこで、クラシックギターマニアとして初心者におすすめのギターをまとめました。

ギター選びに失敗すると、テクニック習得の障害になってしまうこともあります。
この記事で紹介するギター選びのコツを覚えておけば、楽器の購入でありがちな失敗がなくなります。

この記事でわかること

失敗しないクラシックギターの選び方

選ぶ前に知っておきたい基礎知識を6つ紹介します。
(新品で買うのであれば、割れのチェックは必要ないでしょう)

クラシックギターに使われる木は?

表面板は「松」か「杉」

ギターは、表面板が弦の振動を受け止めて振動し、音を鳴らします。
そのため、音色の個性を決める最も大きな要素は表面板です。

クラシックギターの表面板には、松(スプルース)と杉(シダー)が使われます。
白や黄色なら松(スプルース)、茶色っぽいなら杉(シダー)です。
本来は、松と杉の中でも種類が細分化されますが、安いギターではわざわざ種別を記載しません。

松(スプルース)
輪郭のはっきりしたクリアで明るい、分離の良い音
楽器によっては音が伸びる、抜ける
塗装で色は変化しますが、下記のような色です。
杉(シダー)
音の芯は細いが、芯を包む暖かみがある
これにより音が太く、音量が大きい
スプルースよりはタッチに敏感過ぎない
下記のように、杉は元々の色が濃いです。

ヴァイオリンやチェロと同じく、高級な楽器は松(スプルース)が多いです。
近年の画期的な構造のギターには、杉(シダー)が頻繁に使われています。

松(スプルース)の楽器の方が音の熟成・変化が楽しめます。
ただ、安い楽器はポリウレタン塗装でがちがちに固められているため、セールストークで言われる程の変化はないです。
杉(シダー)だから寿命が短いということもありません。

初心者向けの安価な楽器であれば、杉(シダー)をおすすめします。
安価な楽器で松(スプルース)を採用すると「音量がない」「安いので松の上品さが感じにくい」ことが多いです。

裏板・横板はローズウッドが多い

最もギターの音に影響するのは表面板ですが、裏板・横板の材料も音に影響します。
安価なギターは横板・裏板を選べません。
選んで買うことはできないので、あまり気にしなくても良いでしょう。

最も安価な楽器ではマホガニーやメイプルが多いです。
マホガニーやメイプルはアタック感の少ない優しい音です。

2〜3万円以上になるとローズウッドが使われます。
ローズウッドは音量や機能性は増しますが、少し野性的な音になります。

標準より短いギター「ショートスケール」とは?

スケール(弦長)

クラシックギターの弦が張られている部分の長さをスケール(弦長)と呼びます。
スケールは標準で650mmです。

それより弦長の短い楽器をショートスケール(640mm、630mm)と呼びます。
安価な620mm以下の楽器は子供向けです。
(遊び用として子供向けサイズを使うのも良いと思います)

650mmが640mmになったとしても、そこまで違いは分かりません。
630mm位から弾きやすさに違いが出ます。
手が小さい女性であれば、630mmのショートスケールを買うのは「あり」です。

ショートスケールは、サイズに加えて弦の張りも緩くなります。

メリットはあるのですが、あくまで特殊なスペックになります。
ショートスケールから選ぶことで、楽器の選択肢が少なくなることは理解しましょう。
650mmに慣れている方が、今後ギターをグレードアップする際の選択肢が広がります。

クラシックギターはネックの状態が最重要

順反り・逆反り

左手で握るギターの棒状の部分をネック(棹)と言います。
ネックが反ってしまうと、取り返しが付きません。

ネックの順反り・逆反りとは?
弦とフレット(指板)が遠ざかる方の反りが順反り、
弦とフレット(指板)が遠ざかる方の反りを逆反りと言います。

この部分は購入前に確認するか、購入後の返品が可能なうちにチェックしましょう。
ごく僅かな順反りが理想です。

本来は、ネックが反っても修理が可能です。
しかし、安い楽器では本体と同じくらいの修理価格になってしまう可能性があります。
(1~2万円位でしょうか)

ギターは 弦高もかなり重要(後から調整できる)

クラシックギターに限らず全ての弦楽器において弦高は非常に重要です。
弾きやすさだけでなく、音色、弦のテンションの感じ方にも影響を及ぼします。
クラシックギターの価値は、調整により決定すると言っても過言ではありません。

弦高は、後から調整することが可能です。
ナットとサドルと呼ばれる骨(牛や象)が弦を受け止めていて、この部分を削ることで調整します。

出来れば、調整が可能なショップやギター工房が近くにあると良いです。
DIYが得意な方であれば、自分で削って弦高を低くすることも可能です。
ネット上で500~1000円位でナットやサドルの材料を購入できます。

エレガットも「あり」

マイクが内蔵され、スピーカーと接続できるエレガットを選ぶのも「あり」だと思います。
(ギターを構えたときの横板の上に、下のパネルが見えます)

私はアリアというメーカーのエレガットを持っています。
5万円程度の安価な楽器であれば、側面にイコライザー等の機材が付くことのデメリットをあまり感じません。
(結局、エレガットとして使ったことは一度もないですが…)

注意して欲しいのが、ナットの幅です。

ナット

クラシックギターのナットの標準幅は52~53mm
(アコースティックギターのナット幅は44~45mm)

ナット幅が狭くなると、複雑な運指が押さえにくくなり、ギターソロ向きではありません。
よりグレードの高いギターへの持ち替えも難しくなります。

アコースティックギターと持ち替えたりするのでなければ、「クラシックギターの標準幅」のナットを選んでほしいです。
(手が小さい女性のプロ奏者も標準幅で弾いています)
上級者向けの曲では、アコースティックギターのナット幅では弾けない部分があります。

塗装や飾りは音を悪くする

「クラシックギターの見た目はどれも同じに見える」
そう思ったことは無いでしょうか。

生音の楽器は、過剰な飾りや厚すぎる塗装により音が悪くなります。
音を優先すると、見た目重視の装飾はできません。

「黒く塗装された楽器が欲しい」
と思うかもしれませんが、音の観点からは絶対にやめておいた方が良いです。

価格帯毎で選ぶおすすめギターメーカー

「VALENCIA(バレンシア)」は買ってはいけない

「VALENCIA(バレンシア)」という1万5千円以下で買えるクラシックギターがあります。
このメーカーは買ってはいけません。

音量が小さく、音が抜けず、ネックも反りやすいです。
タッチを変えて弾いても、音に反映されません。

1万5千円という価格を考えればこんなものかと思います。
しかし、もうちょっと出すと次に紹介する「アリア」が買えます。
「VALENCIA(バレンシア)」はギターの楽しさが味わえません。

2~6万円のおすすめメーカー「アリア」

安価な価格帯の楽器で最もオススメなのが「アリア」のギターです。

通常、安価な楽器は工業製品で楽器としての個性に乏しいですが、アリアのギターは独特の太い音色を持っています。
やや大雑把な音ですが、音量も大きく、この価格でギターの魅力が味わえるのは素晴らしいです。

「少し身体に悪そうだけど、癖になる食べ物」みたいなものでしょうか。
中途半端に高くてそっけない楽器よりは、安いアリアの方が好きという方もいます。

「アリア」の中で安いグレードでも充分個性が味わえます。
価格が高くなっても、劇的に音が良くなる訳ではないです。
そのため、個人的なオススメは6万円程度までとしました。

アリアの中でも最も安価なグレードは、それ程作りは良く有りません。
長時間放置するとネックが反りやすいです。
頻繁に弾いてあげると、楽器は良い状態を保ってくれます。

3~7万円のおすすめメーカー「ヤマハ」

次におすすめしたいのが「ヤマハ」のクラシックギターです。
大手の楽器メーカーですが、クラシックギターでは特別優れている訳ではありません。
最安価のグレードを買うなら「アリア」の方がおすすめです。

昔のヤマハのギターは「スペインのギター」に準拠しており、重めの鈍い音で弾き手との相性を選ぶ楽器でした。
現在のヤマハのギターは、木の音色がそのまま現れたすっきりしたやや細めの爽やかな音です。

右手の弾き方で繊細に音が変わる様子を楽しみたいなら「ヤマハ」の5万円前後の楽器がオススメです。
品質は良く管理されており、木材の変化による狂いは少ないです。

6~10万円のおすすめメーカー「小平(コダイラ)」

「小平(コダイラ)」は長野県諏訪市に工房を構えるクラシックギターメーカーです。
ここから、クラシックギターの入門として本格的なグレードになります。
こちらは小平ギターの紹介ページです。

職人の手作業により作られた楽器は、5万円以下のギターに比べて雑味がなく、とても良く鳴ります。
抜群に作りは良くなりますので、通常の使用方法ではネックの反り等を心配しなくても良いでしょう。

表面板が松(スプルース)のモデルは、音は綺麗で上品ですが鳴りが大人しい印象です。
個人的にはパワフルな杉(シダー)のモデルをオススメします。

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昔は「小平(コダイラ)」と肩を並べる「松岡(マツオカ)」というメーカーもありましたが、2014年に廃業しています。
日本のギターメーカーが無くなってしまうのは個人的にとても寂しいです。

7〜13万円のおすすめメーカー「ARANJUEZ(アランフェス)」

この記事で紹介するギターの中で、もっとも音量があり、機能面で優れているのが「ARANJUEZ(アランフェス)」。
ドイツの500万円の楽器「マティアス・ダマン」の発想を、安価なギターで実現するように設計されています。

他の量産ギターに比べて音量が大きく、ステージで活躍したい本格的なプレイヤーにおすすめです。
私がサークルでギターを弾いていた際も、真剣にギターを弾く奏者はこの楽器を使っていました。

30万円クラスの高級ギターに近い音量があり、心強い相棒になるでしょう。

番外編 ミニクラシックギターとして「ヤマハのギタレレ」もおすすめ

筆者はクラシックギターマニアですが、もっと多くの人に気軽にクラシックギターに触れて欲しいと思っています。高い楽器を買わなくても良いし、教室に習いに行かなくても良いのです。

そこでおすすめしたいのがヤマハのギタレレです。
その名の通り、ウクレレ並みのサイズを実現しています。
価格も安く、それでいて音もなかなか良いです。

ボディサイズは小さいですが、指板幅は48mmです。アコースティックギターより太いので、ソロギターでの用途を考えたサイズです。弦長は433mmで通常のクラシックギターよりも20cm以上短く、左手の押さえが簡単です。

小型なので、キャンプや屋外に持ち出したり、車内で使うのにもおすすめです。
上達してより高価な楽器に乗り換えたとしても、別の用途でタフに使えます。

初心者におすすめのクラシックギターまとめ

初心者がギターを選ぶ際は、以下のメーカーから買いましょう。

ギターを選ぶなら「これ」

安価にクラシックギターを初めたいなら「アリア」。

5万円前後なら、音に張りとしなやかさのある「ヤマハ」。

本格的なグレードの楽器が欲しいなら、「小平」か「アランフェス」から選ぶ。

「どこまで本気でやるか分からない」という方は、ヤマハのギタレレを買ってみるのもアリ。
1万円程なので、迷っている時間がもったいないレベル。

楽器は趣味のアイテムとしては高額に感じるかもしれません。
しかし、制限速度のある車やバイクと違い、プレイヤーの技術によって性能を限界まで引き出すことができます。

上手い演奏家は本人の個性が音楽に現れるため、楽器はこれ以上ない自己表現のツールです。
「一緒に過ごす時間と得られる体験」の価値を考えると、「良いギター」を手にすべきです。

一緒に素敵なギターライフをエンジョイしましょう!

今回の記事は以上となります。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。

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