演奏技術

親指「p」のアルアイレができません。

親指の反り

親指「p」のアルアイレの質が低く、演奏に支障が出ています。
しばらく前にこの問題に気が付いていましたが、ずっと誤魔化していました。

下記の記事に書いたのですが、楽器を豊かに鳴らすには低音のタッチを向上させる必要があります。

そろそろ直さねばと思いましたので、思考を巡らせてみました。
暫定の解決策をまとめます。
(ありがちな方法です)

親指「p」のアルアイレの難しさ

弦を引っかき上げてしまう

親指「p」は、他の3本の指と弾き方が異なります。
弦に対する指の押し方が違うため、確信が持てない人は多いかもしれません。

私はつい最近まで親指の力みを放置していたので、弦に対して指をかけ過ぎていたかもしれません。

6弦が遠い

1、2弦をimで弾きながら、若しくは弾いた直後に6弦を親指「p」で弾くと遠く感じます。

女性や手の小さい男性にありがちな感覚と思います。

1弦を弾きながら6弦を弾いても遠く感じない手のサイズが、クラシックギターを弾くのにベストな手のサイズなのではと思ったこともあります。
どんなケースであっても、右手の親指に対して4〜6弦が全て内側に収まる大きさです。

親指の背面で消音もしなければならない

上記に加えて、親指の背面での消音もストレスなく出来る必要があります。

親指の背面による消音で、手首の角度が変わってしまうと演奏にロスが発生してしまいます。
演奏者本人としても、苦手意識が残るでしょう。

背面消音はできれば親指の関節の曲がり程度の動きで済ませたいところです。

なぜ出来なかった?

4〜6弦を弾く感覚が揃わないから

親指「p」の場合は、4〜6弦のそれぞれで弾いた際の感覚が変わります。
親指の開く角度、弦に対する指のかかり方、親指を振る軌道が変わるからです。

この点で違和感があり、親指「p」のアルアイレが苦手だったのだと思います。

各弦を弾く感覚を揃えようとして、親指を6弦側へ動かそうとすると、6弦を弾いた際に1弦が非常に遠くなってしまいます。
この感覚の違いを手の移動だけで解決するのは難しそうです。

4〜6弦の音質が揃わないから

上記のように、それぞれの弦で弾き方が変わるのであれば、弾いた際の音質も変化します。
特に最も遠い6弦を弾いた際の音質の変化は大きいです。
(ギターそのものが持つ音質の変化の割合も5弦→6弦は大きいのですが)

これに関しては下記のやり方で対策出来ます。

アポヤンドと和音でごまかせる

6弦の弾き方の違和感と音質の変化は、アポヤンドをすることで解消することが出来ます。
ただし、アポヤンドが有効でない場面ではアルアイレせざるを得ないため、いつかボロがでます。

現在私が習っている先生は低音のアポヤンドを推奨していました。
しかし、本人が弾いているのを見ると必要な場面以外ではほぼアルアイレでした。
やはり、親指のアルアイレから逃げていては演奏のレベルを上げることは出来ないようです。

また、和音で弾く際は親指「p」に対して他の指「ima」の反力によりバランスするため、特に不都合は生じません。
和音で弾く際と同じ親指「p」の動きが出来れば合格のようです。
「力がバランスしているときと、していないときで同じ動きをする」というのは難しいことを要求しているように感じます。

原始の動き←→楽器演奏の動き

和音で弾く際の動きは、ものを掴む際の動きに似ています。
これは人が昔から行ってきた原始の動きと呼べるでしょう。

こういった合理的な動作を、ギター演奏の動きの全てに当てはめて処理できれば楽なのですが、そうはいきません。
指1本1本をここまで繊細に動かすことは、狩りや狩猟の時代には求められなかったでしょう。

親指「p」の動きに関しては、楽器演奏に特化した動作が求められます。

解決策→弦を弾く際に親指を反らせる(特に6弦)

筆者は、手のひらの付け根から親指を動かしていましたが、それでも6弦が弾きにくいです。
観察の結果、6弦を弾く際の親指の反り方が他の弦に比べて小さいことに気が付きました。

これまで、手のひらの付け根から動かして、それより先の関節は脱力して何もしない意識で弾いていました。
この弾き方ですと、4弦、5弦は弦と接した際の圧力で自然に親指が反るのですが、6弦だけあまり反っていませんでした。

6弦を弾く際にも親指を少し反らせるようにしたところ、音質と弾いた際の感覚に明らかな改善が見られました。
「親指の先は脱力して弦に当たってから指が曲がっていけば良い」と思っていましたが、「当たる前から弦に負けてあげる意識」で弾いた方が良さそうです。
私の場合はこれくらいの意識で弾かないと充分な脱力にならなかったということでしょう。
これによって、弦に対する親指の追従性(接地面積)が増しました。
弦をリリースする際の抵抗も小さくなっていると思います。

ただし、私の場合は元々あまり親指が反りません。
ここで言っている「反らせる」は、あくまで弦に自然に合わせていく程度です。
(かなり力を入れて反らせて、下の写真程度です)

親指の反り

ずっと反らせておくかどうか

私は親指の先がそれほど反る方ではありません。
常時反らせておくと力みの原因になってしまいます。
どんな方でも、親指の可動域の限界に近い角度で反らせたままにしてしまうと力みやすいでしょう。

最初から親指が反りやすい方は、元から少し親指を反らせておくと良いかもしれません。

親指の背面で消音する場合は、親指の先を握りこむ方向(手の内側)に曲げるため、普段から親指を反らせておく必要はないと感じました。
(反りにくい人は特に)
低音を速いテンポで連打する場合は、指先でロスが無いようにある程度反らせた状態で当てるのが良いかもしれません。

親指「p」とその他「ima」の力の釣り合い

楽器を豊かに鳴らす方法でも触れているのですが、良い音を出すには脱力が必須です。
余計な力は響きを止めてしまいます。

和音を弾く際に、余計な力が入っていなければ、親指「p」とその他「ima」の力は釣り合います。
手が、弦に対して上にも下にも偏っていないということです。
この状態は豊かな音が出やすい印象です。

表面板を右腕で押さえてしまう人は、同時に手を上か下にずらす不必要な力も残りがちだと思います。

親指の力を抜いて指先を僅かに反らすと、反った分の量で右手の位置が微妙に動きます。
親指の反りがバッファになり、不要な力を取り除く方向に向けて、右手の位置が適切に補正される可能性がありそうです。
これは、親指以外の指を柔らかく使うことでも同じ効果が得られます。

今回の記事は親指の弾き方と反りについて触れましたが、実質は「楽器を豊かに鳴らす方法」の続きになっていると思います。
地味でくどい記事であり、内容が全て正解とは言えませんが、少しずつ「豊かな音」の確信に近づいている感覚があります。
最後までご覧いただき、誠に有難うございました。

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