私が現在所有している楽器は以下の通りです。
- ホセ・ルビオ
- ホセ・ヤコピ
- アントニオ・マリン
- ユーゴ・キュビリエ
- 山下暁彦(グローベルモデル)
だいぶ、充実したメンバーになってきたと感じています。
それでも、人の欲望は留まるところを知らず、限りないものです。
私が今後、是非手に入れたいと思っている楽器について書きます。
ドミンゴ・エステソ、マルセロ・バルベロ
クラシックギターの王道であるスペインの古名器は一度は手にしたいと思っております。
ドミンゴ・エステソは実用的な個体が市場に出回ることも多く、魅力がありながらも現実的な選択と思います。
(お値段も)
他の古名器に比べるとクラシカルで品があり爽やかです。
マルセロ・バルベロは1本しか見たことがありませんが、スペイン独特の音の濃密さを感じる楽器でした。
サントス・エルナンデスは私がこれまで見た中での個体差が大きく、楽器選びが困難と感じたため外しています。
ドスが効いた低音のイメージがありましたが、クラシカルなバランスのものも弾いたことがあります。
サントスに限らず、この時代の楽器は1本1本が大きく違うため、「この製作家が良い」とひとくくりには出来ない難しさがあります。
「機能的で音色が良い」程度の個体はたまに出てくるかもしれませんが、「これ以上無いほどに濃厚」とまで言えるものは中々お目にかかれないのでは無いでしょうか。
水原洋氏の19世紀ギター
水原洋氏の19世紀ギターについては、別記事にて語っております。
買わずに後悔しているギターについて。|クラシックギターの世界
ホセ・ルイス・ロマニリョス
ロマニリョスも、いつかは手にしたい楽器のひとつです。
聴いて感動することが多い楽器ですが、弾いて「これを買う!」と思ったことはそれ程多くないです。
今まで見たもので一番良いものは、友人が所有しているものです。
音量も十分大きいのですが、音が特濃なので実際の音量以上に存在感を感じます。
過去に店頭で弾いたものにも音が濃いものがありました。
ロマニリョスの濃さは、ルビオの濃さに非常に良く似ています。
(その濃さが乗っている骨格は大きく異なりますが)
かなり音の濃い個体でしたが、5弦と6弦のバランスが気になったので購入しませんでした。
もしかしたら、調整で改善出来るバランスだったかもしれません。
一昔程ではないですが、ロマニリョスは非常に人気が高く、半ば諦めております。
マヌエル・ベラスケス
マヌエル・ベラスケスもやはり憧れの楽器です。
私の中でも妄想が大きくなってしまっているところがあります。
正直、「これだ!」と確信を得られる程の個体は1本も聴いたことも弾いたこともありません。
基本の音色にもそこまで魅力を感じていません。
有識者の友人にも伺いましたが、同じ印象とのことでした。
ベラスケスも当たり年(大型化する前の初期の年代)の良さが強調されています。
当たり年は全ての個体が優れている訳ではありません。
友人の言葉ですが「ごく一部存在する優良な個体の凄さが語り継がれている」可能性があるとのことです。
ラピュタは本当にあるのだと思います。
私が過去に見たものの中では、1969年のものが好みです。
全く同じものか分かりませんが、海外サイトに写真が残っています。
ベラスケス本人があえて普段と違うデザインを採用したというエピソードも書かれていました。
これは恐らくやや大型化しており、初期作品に該当するものではないと思います。
(記憶が曖昧です)
重厚で粘りがあり、音に充実感がありました。
スペイン、イギリス、フランスの濃さとは異なりますが、密度と肉厚さが素晴らしかったです。
お値段もそれなりで迷ったのですが、私の経験の無さで見送りました。
初めて良いと思ったベラスケスだったので、良個体の中でどれくらいの位置付けなのか判断出来ませんでした。
(「良い」と思うものを2~3本見たことがあれば良かったのですが)
ヘルマン・ハウザー
A.セゴビアが使用したヘルマン・ハウザーの1世・2世は誰もが欲しい楽器だと思います。
ハウザー1世に関しては価格や競争率を踏まえると到底一般人が買えるような代物では無さそうです。
ドイツの製作家として、キリスト教の神を想起するような類まれなる気品があります。
また、セゴビアが求めたスパニッシュさによる表情の広さを兼ね備えております。
「1世が手に入らないなら、2世を買えば良いじゃない」と簡単にはいかないのが難しいところです。
ハウザー2世も個体差は大きく、音色は非常に魅力的だとしてもバランスが気になるものも多いです。
私はハイポジションのデッドノート(鳴らない音)は気にしませんが、ローポジションのバランスは確認しています。
また、最近素晴らしいハウザー2世を弾かせてもらい、非常良かったのですが、右手のタッチの面では楽器に跳ね返されていました。
私は自称ハウザー弾きなので、1970年前後のドイツ的要素が強いものは相性が合えば楽に弾けます。
しかし、スパニッシュさのある1950年代の楽器は、奏者にかなりのタッチの良さを要求する印象です。
相性もありますが、「如何にタッチを磨いているか」が大きく、己の器が試されます。
生半可な覚悟で購入してしまうと「豚に真珠」なので、自身の成長の必要性を感じています。
今後欲しいと思うギター、まとめ
伝説の名器の名前を並べましたが、売りに出されたからといってすぐに買えるものではありません。
また、「奏者のタッチ」「弦の選定」「楽器の調整」等の様々な要素で音は決定します。
ここに挙げた楽器に釣り合うよう、研鑽を続けます。
最後までご覧頂き、誠に有難うございました。