当ブログの筆者は2023年度のアマチュアギターコンクールに申し込みをしており、なんとかテープ審査に合格しました。
(過去に何度も落ちています)
アマチュアギターコンクールの開催概要は以下のとおりです。
- 場所:三鷹市芸術文化センター
- 時刻:最終予選→午後1時開始 本選→午後5時開始
アマチュアギターコンクールに関する詳細は以下の公式ホームページに掲載されています。
アマチュアギターコンクール公式ホームページ
8分以内の自由曲を弾く本選に進めるかは分かりませんが、最終予選でステージで弾くことは決まっています。
ぜひ聴きに来ていただけると嬉しいです。
「どんな奴が記事を書いているのか」が分かると、ブログも読みやすくなるでしょう。
ちなみに、楽器は「アントニオ・マリン」を使います。
魔改造しているので、元のアントニオ・マリンほどの音量はありませんが、響き・音色はとても良いです。
パワー・性能とギターらしい音のバランスに優れています。
あらためて、この記事ではコンクールに向けた具体的な準備や練習方法を整理します。
今回紹介する練習方法で良い結果が得られれば、必勝法と呼べる内容になるかもしれません。
今出場しているコンクールを終えた後にも、今後コンクール向けの練習法に関してはこの記事に追加していきます。
技術のための練習
身も蓋もないことですが、良い演奏のために先に会得すべきなのは「技術>音楽表現」です。
彫りが深く緻密な表情を付けていくためには、安定した技術が必要になります。
(ただし、技術不足を言い訳にして、いつになっても音楽を掘り下げないのもだめです)
技術の面では、以下のチェックポイントを気にして練習しています。
- 右手・左手の動きの確認をする(運指、弦に触れるタイミング、アンカーフィンガーなど)
- 隠れたガイドフィンガーなど、より楽に弾ける運指を探す
- 毎回同じ動きをする
- 無駄な動きを減らす
- 記憶を整理する(重要)
どんな動きをしているか、正確に把握することが重要です。
準備が不十分な状態で「どんな動きをするのか」が分かっていない段階では、がむしゃらに練習しても悪い癖が付いてしまいます。
練習の浅い段階が特にそうです。
「何をすればいいかよく分かっていないが、ひたすら頑張る」はNGです。
私の経験です。
練習期間が空いてしまった際は、思うように指が動かず、狙った音色も出ません。
諦めて右手・アンカーフィンガーや左手・ガイドフィンガーのタイミングを楽譜に記載する日にしました。
面倒であまり達成感もないのですが、曲をさらい終わる頃には手の動きが良くなっていました。
記憶を強固にすることで、指が迷いなく動くようになります。
結果としてミスが減ります。
余談「弾きなおしの話」
特に曲の冒頭に戻っての弾きなおしは、コンクールではほぼ失格扱いになります。
個人的にですが「最初からの弾きなおしはしない」ことは、ステージマナーの一部として捉えています。
「すみません、止まってしまったので最初から弾きます」と宣言するのも、私は好きではないです。
客席で聴いている人は演奏が止まったのは見ていればわかることで、お客様のための言葉ではないように思えます。
話が遠回りしました。
「ミスせず正確に動く」「止まらずに弾く・止まっても再開できる」ためには記憶がとても大事です。
「暗譜して最後まで通して弾ける」というのはまだまだ心もとない段階です。
意図的に感覚や動作を強固に脳に残すようにしましょう。
音楽表現を深める練習
心に届く演奏をするには、音楽表現を深めることが重要です。
たとえコンクールだとしても、「入賞できるかどうか」よりも「どれだけの人の心を打ったか」が大事だと考えています。
(結果に振り回されずに済みますし、本質を求める姿勢が身に付きます)
あくまで一例ですが、音楽表現を深めるポイントをまとめました。
- 何も表現が付いていない箇所を探す
(聴いて・弾いていて、つまらない部分に肉付けする) - 前後の対比が付いていない箇所を探す
(違いがなければ表現は伝わらない) - 旋律・メロディ(内声、バス)の特徴や方向性を引き出す
(特定の声部を取り出して弾く) - 歌いながら弾く
(自然に呼吸も整う) - 和声の確認
(前後の繋がり、明暗・強弱・濁り) - テンポの確認
(曲の要求する速さ、加速・減速する箇所など) - 拍感の確認
(拍感を強調する・平坦にする、ヘミオラ、アウフタクトの取り扱い) - 具体的な例えを探す
(物理的な変化よりも、奏者が捉えやすく、聴き手へ伝えやすい)
音楽表現は、明確な意図を持ち、対比があって差がわかることが重要です。
過去の自分に苦言を呈したいのですが、「一生懸命、全力で頑張って弾く」は表現ではないです。
野球のピッチャーが常に全力のストレートを投げているのと同じで、相手(お客さん)は慣れてしまいます。
審査員からしても「頑張ってはいたが、音楽的な幅は狭い・表情に乏しい」という評価になります。
具体的な練習と注意点など
この章では、具体的な練習の内容と注意点・意識するポイントをまとめます。
練習で何が得られるかを意識して取り組むのが大事です。
異なる練習を組み合わせて行うとさらに効果的です。
通し練習
- ミスしても、流す練習(動揺しない)
- 本番に近い条件で弾き、ミスしやすい箇所をあぶり出す
- 正規のテンポで通した際、表現が浅くなるところを探す
- 複数回連続で弾き、体力を付ける
メトロノームを使った練習
- 愚直に正しいリズムで弾く
- 極端に遅いテンポで動きの確認をする
- 遅いテンポでスローハンドの感覚を確認する
- 本番のテンポ+1割以上の速さで弾く(過酷な条件を課す)
目を瞑って弾く
- 視覚情報なしで弾けるかどうかの確認
- 指先の感覚にフォーカスする
- 指先の感覚を記憶する
鏡を見て弾く
- 無駄な動きを減らす
- 姿勢の確認
- 直接、右手・左手を見ずに弾けるようになる
ピアノ(音量小)で弾く
- 入力の最小値を確認する
- 左手の脱力
- 指先の感覚に集中する
フォルテ(音量大)で弾く
- フォルテであっても力まないようにする
- 力んだ際の音量・響き・音色の変化を記憶する(本番で発生しないように変化を感じる)
- 発音時に左手で必要な力を確認
苦手な和音の押さえ替えを繰り返す
- 本番に近い音の連結を意識する
- 無駄な動きを減らす
- 事前に押さえられる箇所やガイドフィンガーを探す
- 難しすぎる場合、音価を妥協する
- 5分ほど、苦手な和音の押さえ替えだけを行う
まだまだあると思います。
思い出したら追記します。
本番で使う曲以外にも、アルペジオやトレモロを行っておくと良いでしょう。
左手に関しても、気分転換を兼ねて難易度の高いバッハなどを弾いておくと耐久力が保てるかもしれません。
緊張やメンタル面での対策
大まかな緊張対策は以下のとおりです。
- 今の意識・感覚・音に集中する
- 呼吸を止めない
- ミスした際のシミュレーションを練習で終えておく
- 1~2か月前から瞑想をする(習慣付けるのがベスト)
- 練習の時点で「やりすぎ」ぐらいに曲の表情を付けておく
- 控室、舞台袖、本番のステージを自宅でイメージする
詳しくは以下の記事を参照願います。
古い記事で文章が良くないものもありますが、言っていることは役に立ちます。
アニメ「四月は君の嘘」を観る
私はコンクール本番が近づくと「四月は君の嘘」というアニメを観ます。
音楽コンクールでステージに立つ方は必見の内容となっています。
他の音楽作品なら「ピアノの森」もとても面白いですが、勇気が欲しいときは「四月は君の噓」がおすすめです。
(筆者は種田梨沙さんが好きです)
「四月は君の嘘」を観る際は、動画配信サイトのU-NEXTを使っています。
31日間無料、テレビ番組の見逃し配信も見られるようになったので重宝しています。
終わりに「上達したければ、不快を求める」
コンクールに向けた練習は、辛く、苦しいです。
上達するには様々な方法がありますが、私には「自分の悪いところを探す」のが合っているようです。
欠点にひたすら意識を向けるため、不快感はとてつもないのですが、確実に上達できます。
逆に気分良く練習している際は、レッスンでぼこぼこにされることが多いです。
ギター以外の趣味も同様で、楽しくて始めたことが苦痛(あら探し)に変わっていくことは切ないのですが、自分の性根だと思って諦めています。
「不快感」は現状を前に進めるきっかけのようです。
練習は孤独で辛い作業ですが、どこかで同じようにギター仲間が頑張っており、それぞれが良い結果に向けて進んでいると思えば何とか乗り切れそうです。
今回の記事は以上となります。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。