私は、メインのギターには「ハナバッハ(緑) ローテンション」を張ることが多いです。
ハナバッハ(緑)を改めて張ってみて、入念にチェックしましたのでレビューします。
張った後の変化
弦を張った初日は、4弦の金属的な音を感じます。
また、張りたての高音弦は柔らかいので、タッチに対するロスを感じます。
弦を張ってから2日目、音程はまだ安定しませんが、何とか使える印象です。
まだ4弦の金属的なギラつきは気になります。
高音弦が伸びきっていないことによる過剰な柔らかさはまだあります。
硬い音の楽器ならこの状態でも、良いと思います。
本番で使うなら、弦を張ってから「高音弦は3~4日以上」「低音弦2日以上」経ってからが良いと感じました。
私は複数楽器を持っていて、気まぐれに持ち替えたりするので、この期間は人により異なります。
寿命は?
1ヶ月ちょっとではないかと思います。
丁度アントニオ・マリンを購入した直後に弦を張り替えまして、1ヶ月先の人前演奏では概ね伸び切っていました。
(ぎりぎりアウトでした)
マリンのナットやサドルを作る際に、「弦を張る・緩める」を繰り返したり、ナットの角に当たったり、過剰なフォルテで音のチェックをしたので、本当はもう少し長持ちするかもしれません。
ハナバッハ緑の特徴
値段が高い
ハナバッハの通常ラインの弦は約2000円とややお高めです。
とあるお店の方から「価格の高さは、品質と同義ではない」という話を聞きました。
(これ以上は書きません)
品質は別として、値段の高さを我慢しなければ、ハナバッハ特有の音色は得られません。
テンションが高い
ハナバッハの弦は総じて張りが強いです。
今回レビューしているハナバッハ緑(ローテンション)は合計の張力が40・4kgです。
プロアルテで最も近いのは、ハードテンションの40.8kgです。
久々に確認しましたが、メーカー違いで「ハードとロー」が同じはやはり意外です。
ハナバッハ緑(ローテンション)は他のメーカーを含むと標準品(中庸な張り)だと思います。
私はこれよりひとつ張りが強い黒(ノーマルテンション、41.8kg)か張りが弱い黃(スーパーローテンション、39.2kg)しか張りません。
特に赤(スーパーハイテンション)は多弦ギターの番外弦のように私は捉えています。
青(ハイテンション)も大昔に1度買ったきりです。
鳴らしにくい、音量は程々
ハナバッハはプロアルテやサバレス、オーガスチンと比べるとやや鈍く、鳴らしにくいです。
相性が合う楽器なら、それ程デメリットには感じないと思います。
音量は並で派手さはないため、人によっては「響きが悪い会場で使うのは避ける」かもしれません。
上で書いたとおり、そもそも「弦のテンションが高い=太い」のも鳴らしにくさの理由と思います。
不良弦の確率はやや高め?
不良弦(太さの不均一)に当たる確率はそれなりにあるように思います。
プロアルテやサバレスほど安定していません。
とはいえ、私はあまり気にしていません。
(曲の特定の部分で強烈に気になることがありますが)
柔らかく、気品がある、少しハスキー
ハナバッハの最大の魅力はその音色です。
弦に柔らかさ・暗さがあり、気品とザラつき・ハスキーさがあります。
プロアルテのザラつきは粘らずにスパンと出てくれるのに対し、ハナバッハは柔らかくもっちりと受け止める印象です。
品の良さによって音楽に没頭させてくれるため、奏者の世界観を邪魔しません。
楽器の音色の品をワンランク上げてくれるので、ついこの弦を選んでしまう方は多いと思います。
楽器の音色の質が気になる場合、ハナバッハが密度や粗を埋めてくれます。
各弦で音が異なる
張りたてで特に感じるのですが、各弦ごとの音の太さや質の違いが大きいように思います。
馴染んでしまえば全く気になりません。
演奏の当日・前日に弦を替える人は気になるかもしれません。
音の芯は太め
音の芯は高音・低音含めて太めです。
音は柔らかいですが、音全体が芯である印象です。
(中心に芯がある、ではない)
低音が伸び、膨らむ(オルガン的)
あまり大袈裟ではないのですが、低音は弾いてから僅かに伸びて膨らみます。
「サステインが長い」とは微妙に違う気もします。
存在感があり、良い低音だと思います。
低音はイメージほど重厚ではない
ハナバッハはドイツ製の弦なのですが、ドイツとして思い浮かべる程には重厚な低音ではないと思っています。
特に、5弦と6弦の違いは大きく感じます。
6弦は太く伸びますが、やや腰高です。
音質の重さで言えば、サバレスやプロアルテが勝るかもしれません。
ちょっと曖昧なので、近日再確認します。
現在、ハナバッハ緑を弾いている限りでは、低音が重いとは感じません。
ハナバッハ緑のまとめ
それなりに個性がある弦と思いますが、私にとっては標準品です。
音量や派手さは楽器やタッチで何とかするとして、とにかく音色には品を持たせたい場合に選びます。
音楽に没頭させてくれる品の良さはハナバッハならではです。
今回の記事は以上となります。
最後までご覧頂き、誠に有難うございました。