現在、支持している先生が右手の薬指「a」を頻繁に使うタイプの演奏家です。
かなり複雑なフレーズであっても、1〜3弦までは親指「p」を使わずに処理しています。
私も薬指「a」はもっと自由に動けるようにした方が良いと思い、先生を見習って右手の運指を考えて練習しています。
(本番でどこまでやるかは不明ですが)
薬指を訓練した結果、重要なメリットがあると感じたため、記事にまとめます。
前提:当てはまらない人もいるかも
クロアチア出身のギタリスト アナ・ヴィドヴィチ氏は、トレモロを「pmim」の順で弾くそうです。
この情報を知って、「無理して薬指aを使わなくても良いのだ」と背中を押された気分でした。
実際にアナ・ヴィドヴィチ氏があまり薬指aを使わないのか、私が思い込んだだけなのかは曖昧です。
しかし、私自身は薬指aを使った方が良いタイプのようです。
過去に右手・左手脱力の記事を書いた際、「小指側を意識」した方がミスが減る感覚がありました。
アレグロやプレストの曲を弾いた際も、薬指aを使うと右手の力みが和らぎます。
(完全に忘れていたのですが、思ったよりちゃんと書かれていて驚きました)
4スタンス理論と同じ理屈ではないか
過去にテニスを習っていた際、4スタンス理論というロジックの本を読みました。
身体の軸や重心の使い方が4種類に分けられており、それによって個人に合う動きが変わってくるという理論です。
私がこのジャンルの勉強をしていた頃は、主にゴルフで展開されていて、他のスポーツの本は少なかったです。
今は音楽においても4スタンス理論の応用が行われているようです。
(私は全面的に信頼というよりは、7割合っていれば良い程度の使い方をしています)
当時読んでいた4スタンス理論の本を改めて確認しました。
バット・ラケット・クラブ等のグリップ、コップを持つ際に、「人差し指と中指」で安定するタイプ、「薬指と中指」で安定するタイプに分かれるようです。
アナ・ヴィドヴィチ氏が前者、私が後者だと思われます。
ということで、今回の記事は当てはまる人とそうでない人がいます。
薬指を鍛える・意識するメリット
結論として、薬指を意識して鍛え、自由に動かせることによるメリットを書きます。
脱力したまま強い力を出せる
私(薬指優位が合う人)の場合は薬指側を意識して手を握ると、手が柔らかいままで強い音を出すことが出来ます。
よくある疑問で「脱力したら力が入らないのでは」と頻繁に耳にします。
関節や筋肉を固めずに大きな力を伝えるのが、脱力して演奏するということの正体です。
薬指側を意識して弾くことで、楽器を豊かに鳴らす方法の会得に少し近付いた感覚があります。
和音のトップノート(メロディ)の質が上がる
薬指を意識して練習を進める中で、和音のトップノートの質が向上していくのを感じました。
他の指にどれだけ技術があっても、薬指の不器用さが改善しなければ和音上のメロディを綺麗に弾くことは出来ないようです。
メロディの質が変わったことによって、楽器の鳴り方が変わったような気がします。
「楽器を豊かに鳴らす方法」としてはimaは何も工夫せずに普通に弾くことが重要ですが、まだまだ改善点があるようです。
薬指を鍛えるコツ・方法
薬指側を意識して手を握る
ここまでの内容で散々書いていますが、薬指側を意識して手を握ると脱力しやすいです。
フォルテ以上の音量において、この感覚は重要度が増します。
これは正解かどうか分かりませんが、ドアノブを回すように動かすと柔らかさを保ったまま指を抜きやすい印象です。
piaだけで弾く
同時に3和音以下の音符しか出てこない場合、なるべくpiaだけで弾くよう練習します。
これは、私の習っている先生が、人差し指iの音が抜けてしまうのを防ぐ際に使っています。
また、1弦と3弦を弾く際も中指mを使用しないことが多いようです。
今年、私は薬指aの完成度を夏のコンクールまでに仕上げる予定でした。
piaでのアルペジオは継続して弾いていましたが、あまり出来るようになっていません。
この記事を書く何日か前、中指mをぶつけて深爪気味の状態になりました。
中指mで弾くと少し痛いため、全ての曲を強制的にpiaだけで弾くようにしました。
すると、短期間で薬指aの感覚が変化した実感があります。
強引に中指mを使わない期間を作ることをおすすめします。
小指までやった方が良い可能性も
薬指を使うことで劇的な変化があったため、小指まで鍛えるとさらなる変化がある可能性もあります。
爪を伸ばすのも面倒なため、私はあまりやる気が出ません。
小指を鍛えるのであれば、ピアノ等で行う予定です。
今回の記事は以上となります。
最後までご覧いただき、誠に有難うございました。