クラシックギターを弾く右手の親指の動きは独特です。
その他の指(薬指a、中指m、人差し指i)と違った弾き方が要求されます。
演奏中に手が力む方はamiの動きに注意が向きがちなのですが、親指pの動きを身につけないと完全な脱力には到達できません。
新井伴典先生・谷川英勢先生がYoutubeチャンネルにて親指の弾き方を解説しており、非常に参考になる内容でした。
親指の弾き方に悩む人は必見です。
「親指の弾き方」動画の要点
新井伴典先生・谷川英勢先生の動画の要点は以下の通りです。
- アポヤンドと同じように親指を振る
- リリース後は、人差し指の第1関節(先端から1つ目)より爪側付近に親指が当たる
- 弾き終わった親指の位置は、手が脱力したときの自然な位置でOK
- 6弦を弾いて、5弦に当たるのは、練習の初期段階ではしょうがない(ギリギリで避けるべし)
- コントロールのために、弾くよりも、スイートスポットに当てる(置く)ことに気を使う
- 隣の弦を避けて、指を上に逃がしてしまう
- 人差し指の中に親指が入る
- 弦をすり抜けたあとの親指に力が入っている
- 親指の動きを小さくしようとして、空中で力を入れて止める
動画の内容は親指の動かし方の基本なのですが、他ではあまり聴けない踏み込んだ内容になっています。
基礎の基礎なので、動画で解説していない説明としては、親指は手の付け根の関節(手のひらの中にある)から動かすのも重要です。
親指の第1関節に力は入らないので、弦を弾く際には指先が弦に追従します。
動画で解説している弾き方を守っていれば、親指が力むことはなさそうです。
親指の弾き方・脱力で重要なこと
私が考える「親指の弾き方」「脱力」で重要なことをまとめます。
新井伴典先生のアイデアではないので、クレームは私宛でお願いします。
打ち抜かない、エネルギーを余らせない
親指の弾き方に関して、脱力した柔らかい音を出すには、必要以上に「打ち抜く・振り切る」意識は不要です。
音量に応じて必要な分だけ力を入れます。
新井伴典先生の解説を使って説明すると、「弦を弾き終わったあとの親指が過剰な力で人差し指に当たる」ことは避けるべきと私は考えています。(新井伴典先生の説明のとおり、力を入れて空中で止めることもNG)
弦を打ち抜いた場合、フォロースルーの分だけ余計な力が入っていることになります。
これはアポヤンドする際も同じです。
打ち抜く意識があると、抜け・遠達性は良いですが、鋭い低音になってしまいます。
ふくよかな低音になりません。
音量に応じて必要な量だけ力を入れるようにしましょう。
野球でボールを投げる際、近距離であればイチローのバックホームのように助走を付ける必要はないです。
バスケットボールでシュートする際、ゴールが近距離であれば身体全体や下半身の力を使わなくても届きます。
「距離が長い=音量が大きい」ときに力を入れるのはOKです。
「距離が短い=音量が小さい」ときに入れた力は、ロスさせてどこかに逃さなくてはなりません。
わざと弦を避けたり、親指にその場で留まるような力を入れることになってしまいます。
「握る」から「触れる」へ
人間の手は、掴んだり、握ったり、触ったり等の様々な動きを想定した構造となっています。
5本ある指の中で、親指は他の指と比べた際に「触れる」よりも「握る」要素が強いと感じます。指先の感覚も他の4本の指と比べれば鈍感です。
演奏において、フォルテを使うのは一部で、主要な音はメゾフォルテ以下です。
「握る」ほどの大きな力が必要とされる場面も、フォルテ以上が必要な部分だけです。
楽器を鳴らせていれば、この認識で音量は足ります。
右手親指で脱力を追求する際は、「握る」ではなく弦に「触れる」意識で弾くようにしましょう。
amiと同じように、必要な分だけ弦をたわませて、スルンと抜ける、それだけでOKです。
「右手親指の弾き方と脱力」まとめ
偉そうに記事をまとめましたが、私も「右手親指」は脱力が甘かったです。
ハイブリッドギターアカデミーの動画は非常に参考になりました。
ゴルフにおいても「親指の力を抜け」という指導があるように、親指は手全体の力みを左右する重要なファクターです。
この記事の内容を会得すれば、親指の弾き方が改善し、親指以外の動きも良くなるはずです。
今回の記事は以上となります。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。