ピアノの鍵盤の深さは1cm(10mm)で統一されているそうです。
クラシックギターの演奏においても、
1弦~6弦までの幅は4~6cmであり、
右手で弦を弾く動作の幅は概ね1cm程度
ではないでしょうか。
自明の話ではありますが、これを正しく認識出来ていないことで
私の上達は妨げられてきたように思います。
最短で上達するためには物理現象を正しく把握すべきです。
そのために、この記事で考えを整理します。
音楽は大きいが、動きは小さい
クラシックギターは音量が小さいと言われていますが、
400人を収容可能なホールで演奏することもあります。
音量が大きく感じるかどうかは、
数字としての音量によるものだけではありません。
音色の幅や弱音の活かし方等、
様々な要素で音楽のスケールが決まります。
クラシックギターの達人は限られた音量で
小さなオーケストラと呼ばれるほど
スケールの大きな音楽を構築します。
頭の中にスケールの大きい音楽が流れていると、
つい動きも大きくなってしまいがちです。
この「脳内でイメージしている動き」と「発音に本来必要な動き」の不一致は
演奏の効率を著しく低下させます。
動きを小さくするメリット
メリット①速弾きに不可欠
速弾きをする際に、極端に「指の動きを速くする」ことは難しいです。
また、「動きの速さ」を求めていると、ミスしやすくなります。
「動きを小さくする」と同一の動きで多く音を出すことが出来、
「頑張って速く動いている」という意識も生じません。
メリット②動きのぶれ幅も小さい
発表会やコンクール等の人前での演奏において
指が震えた際、手が良く動いてしまう人は
演奏への悪影響が大きいです。
また、震える手の動きを抑えようとして力んでしまうことが
何より良くありません。
練習時から小さな動きで弾いていれば、
本番で「手を固定させよう」という意識を持つ必要はありません。
頭を振ったり、身体を揺らしたりすることを減らし、
限界まで指先のコントロールに集中しましょう。
練習で「やりすぎ」くらいまで突き詰めておかないと、
本番で「誤魔化し」や「強がり」で無意味に身体を揺らしたりしてしまいます。
今回の記事は以上となります。
楽器やスポーツの上達における考えについて、
「人間は本能により動作を自然に会得することが出来る」
という意見を私は支持していますが、それと同じくらい
「思い込みが本能による学習を妨げている」
と感じています。
(上達が停滞している方は特に。私です。)
時折立ち止まって考えることで、
理論によって思い込みを取り払うべきと考えます。
最後までご覧頂き、誠に有難うございました。