2019年10月26日、facebookのクラシックギター演奏愛好会の発表会に参加いたしました。
この発表会に参加するのは2回目です。
年末年始にかけて色々と発表の機会を予定していたので、発表予定の曲を早めに人前に出しておかねばと参加を決意した次第です。
中級者からコンクール入賞の上級者(6名くらい)まで、ギターを愛する方14名が集まり、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
日記のような内容になりますが、簡単に内容を記事にします。
開催場所
目白駅と高田馬場駅の間にある東京シティチャーチです。
私は道が分かりやすそうなので、目白駅から歩きました。
記事のサムネにも使っている下記の場所が演奏会場です。
写真の左にローランドの電子ドラムもあり、中々面白い場所でした。
前に来た際は空調の音が気になったのですが、今回は丁度いい気温の季節でしたので空調を切って演奏を聞くことが出来ました。
特に印象に残った演奏
(左にもう1台譜面台があります)
第2グランドソナタよりアレグロ・ノン・トロッポ/F.ソル
一番最後にこの曲を生演奏で聴いたのは藤元高輝さんの演奏でした。
名曲なのは間違いありませんが、演奏時間も長く「アマチュアプレイヤーには荷が重い曲なのでは」と今まで思い込んでいました。
今回のIさんの演奏ではその印象を大きく覆してもらいました。
ソナタ形式の内容を押さえた素晴らしい演奏でした。
全ての祈り、フリア・フロリダ/A.バリオス
第3回じじいサマースクールでご一緒したYさんの演奏でした。
細部まで表現しようという意志や本人のこだわりが感じられ、私はとても好きな演奏でした。
使用楽器は下記の写真のブライアン・コーエンのハウザーモデルです。
(写真はサマースクールの際に撮らせて頂きました)
基音の回りに他の要素が一切付いていない、虚飾を配した音でした。
この音によってYさんの表現がきめ細やかに聞き取れました。
肌の皺や筋肉の盛り上がりが分かるような、そんな音でした。
マジョルカ/I.アルベニス
ジャン・ピエール・マゼを使用した名手Yさんの演奏でした。
この曲を弾き始めて2周間程とのことでしたが、流石の仕上がりです。
特筆すべきは、表現のメモリの細かさでした。
弾き始めて日が浅い曲でこれだけの表現が出来るというのが、Yさんの音楽性の高さを表しています。
上記のブライアン・コーエンに比べると、マゼは音の回りにフランス風のオーラを纏います。
しかし、曲の表現の妨げにはならず、流石名器の音と思いました。
自分の演奏の反省
私は以下の曲を弾きました。
ポーランド組曲/Aタンスマン
- アントレー
- ガイヤルド
- クヤヴィアク
- ポロネーズのテンポで
- コウィサンカNo.2
- オベレク
準備期間1ヶ月半くらいとしては、まずまず弾けたとは思いますが、そんなことは関係ありません(笑)
演奏を聴く人にとっては「曲を弾き始めてどれくらいか」は知ったことではないのです。
ミスは沢山ありましたが、上手く弾き飛ばせたと思いますので、その点は良かったです。
オベレクは、速いテンポによって不安になってしまい、用意していた音色の変化を付けずに弾いてしまいました。
また、最後のフォルテッシモの和音を半音外してしまい、3重倚音のグリッサンドとして誤魔化しました。
(そんなものはありません)
右手のぶれが課題
特に4楽章「ポロネーズのテンポで」で右手のぶれが気になりました。
6楽章「オベレク」でも不安がありました。
緊張下で速い曲になると、右手のぶれにより弦を捕まえるのが難しくなります。
こちら「ポロネーズのテンポで」の冒頭です。
和音を付点で弾くモチーフが曲の中で沢山登場します。
一見簡単なのですが、求められるテンポで表情を付けて弾くのは中々難しいです。
技術不足も勿論ですが、音の「重い」「軽い」を弾き分けなかったことも右手がぶれた原因かと思います。
全ての音をフォルテで弾く必要は無かったということです。
曲の表情が全部一緒!
打ち上げの際に、他の参加者の皆様から以下のご指摘を頂きました。
自分でも当然自覚があり、次の演奏に活かそうと思っております。
もう、反論の余地は一切ございません。
①テンポや表情の変化が全体を通じてあまり感じられなかった
テンポに関しては、速い楽章をそれほど速く弾けていないので、その結果曲が切り替わってもそれほどテンポに差がなく聴こえてしまいます。
表情も練習の時からそれほど大げさに変化が付けられていないので、本番の緊張でほとんど変化が無くなってしまいました。
「本番前になったら表情をつけよう」「とりあえず弾けるようになってから」という考え方が良くありません!
ポーランド組曲は難易度はそれほどでもないのですが、表情豊かに作曲されています。
自分の音楽表現の能力を映す鏡のような曲です。
「あまり表情が無いからコンクールで使わないほうが良いのでは」というアドバイスもあったのですが、この曲で表情が付けられなければ他のどの曲でも不可能と思います。
(能力の低さを痛感します)
②その楽器では変化は付かない
今回はルカ・ワルドナーを使いました。
表情の付きにくい楽器ではあるのですが「明るい」「硬い」←→「暗い」「柔らかい」のような幅のある表情はそれなりに付きます。
ポーランド組曲のような表情の極端な曲であればこれで良いと判断しての選択でした。
音の質自体は悪くなくイタリア的な明るさは音楽的だと思うのですが、どの音にもこの要素が付いて来ることで、繊細な表情が塗りつぶされてしまいます。
ご一緒した他の方のイタリアの名器にも、私の楽器程ではないにせよこのことを感じました。
これはブライアン・コーエンやジャン・ピエール・マゼと大きく違うところです。
楽器にも悪いところはあると思うのですが、7:3で自分のタッチが悪いと思っています。
いわゆる「無難な良い音」になってしまい、そこから音を変えられずにいます。
頭の中にあるイメージも恐らくはっきりとしておらず、根深い問題です。
譜面台で演奏している手が見えない
これも他の方から頂いた指摘で、今回のオチです。
自宅に帰って、早速「右手のぶれ」を改善しようと思い、動画を見直したら、
譜面台で自分の右手が全く見えませんでした。
「パフォーマンスとして人に見せるため」というのは勿論ですが、自分の上達のためにも譜面台は水平に近い状態にして今後は演奏します。
最後までご覧頂き、誠に有難うございました。