クラシックギターの右手のタッチにより音色を変える際に、
何をしたら良いか迷う人は多いのではないでしょうか。
本記事では音色を変化させる際に
変えるべきパラメータをまとめます。
恐らく抜けがあると思いますので、都度追記します。
①弦と右手の接点
これらはほんの少しの動きで音色を変えられますので、
大きく右手を動かしたくない際に便利です。
接点の面積
接点が大きいほど太い、柔らかい音
接点が小さいほど細い、硬い音
になります。
肉と爪の比率
肉の比率が多ければ柔らかい音
爪の比率が多ければ硬い、はっきりした音
になります。
②弦と指が離れる際の要素
離弦の速度
弦をリリースする速度が速ければはっきりした音
弦をリリースする速度が遅ければ柔らかい音
になります。
後述する関節のロックによって決まる項目ではないかと
思ったのですが、
関節をロックしていたとしてもリリースはゆっくりにすることが出来ます。
(ロスのないゆっくりなリリース)
離弦の角度
弦をリリースする角度が弦に対して垂直ならはっきりした音
弦をリリースする角度が弦に対して鋭角になるほど柔らかい音
になります。
テンポの遅い楽章では、
弦を滑らせるような鋭角のタッチで柔らかい音を使ってみましょう。
③ギターの弦から見た要素
スルタストorスルポンティチェロ
スルタスト(サウンドホール寄り)で弾くと柔らかい太い音
スルポンティチェロ(ブリッジ寄り)で弾くと硬い細い音
になります。
この変化を使う際は右手を大きく動かす必要があります。
緊張して右手が固まってしまった際に、
あえてこの変化を使ってみると緊張がほぐれるかもしれません。
表面板に対する弦の振動方向
表面板に対する弦の振動方向を垂直にすることによって
音が太くなり、音量や音圧を上げることが出来ます。
アポヤンドによっても可能ですが、
アルアイレでも弦が指を避ける(指で逃さない)ことで
弦に垂直振動の要素が加わります。
弦の振幅
音量は弦の振幅の大きさによって決定します。
弦高が低いギターで低音弦を弾く際は、
あえて弦を表面板に対し水平に振動させ、
ビビりを発生させずに振幅の大きさを稼ぎます。
④弦を弾く右手の要素
関節(主に指)の使い方(固定or緩める)
主に指先の関節をしならせると、柔らかい音
関節をロックするとはっきりとした音
になります。
爪の柔らかさ
変更不可能なパラメータではあるのですが、
爪が柔らかいと柔らかい音
爪が硬ければはっきりした硬い音
になります。
緊張すると音が硬くなりがちなので、
爪は柔らかい方が良いと思っています。
(柔らかいことによるトラブルもあるでしょうが)
爪の滑らかさ
爪の形状が凸凹なのは論外ですが、
最後にどの紙やすりを使うかで音が変わります。
細かいやすりであれば透明な音
荒いやすりであれば倍音のある音
になります。
私はナイルガット等のざらついた弦を
使っているような倍音感が少し欲しいので、
2000番等の細かいやすりは使いません。
まとめ
本来、どのような音を出すかどうかは
今回リストアップした要素を変えるよりも
欲しい音をイメージする方が重要です。
イメージを使うことで、細かく右手の動きに気を使わずとも
求めた音を直接引き出すことが出来ます。
ただ、時折使っていない要素が無いかどうかを練習で点検したり、
新しい方法を試して引き出しを広げることも必要です。
今回の記事は以上となります。
いざまとめてみると、疎かにしていた要素が多く反省しました。
楽器によっても音色の幅や変更のしやすさは大きく変わってきます。
最後までご覧頂き、誠に有難うございました。