カノン進行のコードで各調の主要和音を覚える。

PR〈景品表示法に基づく表記〉

最近、ギターとピアノの両方で弾き語りをしています。
(ピアノ演奏時も、ギター用のコードから読んでいます)

私のギター歴は長いですが、もっと早くコード進行に触れておけばよかったと思っています。

楽器を弾くの際に、各調の主要なコードと関係性が分かると便利です。
初見の対応力が上がることに加え、表現の彫りが深くなります。
「コードをどう弾くべきか」を理解しておくことで、クラシックの演奏の幅も広がります。

現代では、ポップスのコードや作曲について解説した分かりやすいメディアが多くあります。
ポップスとクラシックで理論が違う部分や解説が完璧でないものもありますが、細かいことは考えずに「豊富な教材を使ってたくさん知識や感覚を入れていく」のが良さそうです。
(本を読んで「知識だけで終わる」のは、音楽ではNG)

前置きが長くなりました。
「カノン進行をギター曲に出てくる主要な調で弾く」のはクラシックギターの演奏に役立ちます。
具体的には、以下のとおり。

  • 長調のトニック・ドミナント・サブドミナントが分かる
  • 短調のトニック・ドミナントが分かる
  • コードのバス(ルート)だけ覚えても良い
  • コードを覚えなくても、その場で作れる
  • 練習・勉強を意識せずに遊びで弾ける
  • 即興・アドリブも可能

私は、現在習っている先生から「カデンツを覚えろ」「スケールを弾け」と何度も言われておりました。
しかし、なかなか身が入りません。
私がカデンツやスケールで会得したかった内容は、カノン進行を弾くことで一部をカバーできそうと感じています。

完全初心者ではなく、「CFGC」程度のコードや音階が分かる人を想定。
「音階と調」や「短調・長調」、「T・SD・D」あたりの話は省略します。

この記事でわかること

各調のカノン進行のコード一覧

以下に各調のカノン進行のコードをまとめます。
(登場するコード一覧だけ書いても良かったのですが、左から順に弾くことを想定して並べました)

#が付く順番は「①F ②C ③G ④D ⑤A ⑥E ⑦B」です。
♭が付く順番は「①B ②E ③A ④D ⑤G ⑥C ⑦F」です。
(5度・4度で追っても良いですが、ギター弾きは、指板で覚えると記憶しやすい)

ⅥmⅢm
#6F#C#D#mA#mBF#BC#
#5BF#G#mD#mEBEF#
#4EBC#mG#mAEAB
#3AEF#mC#mDADE
#2DABmF#mGDGA
#1GDEmBmCGCD
CGAmEmFCFG
♭1FCDmAmB♭FB♭C
♭2B♭FGmDmE♭B♭E♭F
♭3E♭B♭CmGmA♭E♭A♭B♭
♭4A♭E♭FmCmD♭A♭D♭E♭
♭5D♭A♭B♭mFmG♭D♭G♭A♭
♭6G♭D♭E♭mB♭mC♭G♭C♭D♭

「Ⅰ」「Ⅳ」「Ⅴ」を覚える

カノン進行を弾くために、必要なコードを考えます。

まず、長調の音階における以下の3つのコードを覚えます。(作る)

  • Ⅰ(トニック・主音)
  • Ⅳ(サブドミナント・下属音)
  • Ⅴ(ドミナント・属音)

調号の付かない「ドレミファソラシド(ハ長調・Cメジャー)」であれば、以下のとおりです。
(音階上の1,4,5の音上に作る和音)

  • C=Ⅰ(トニック・主音)
  • F=Ⅳ(サブドミナント・下属音)
  • G=Ⅴ(ドミナント・属音)

これらは全て長三和音(明るい)です。
「ドミソ」「ファラド」のように、「長三度」と「短三度」の音を重ねてできるのが長三和音です。
音階(調)の音を一つ飛ばしで3つ重ねると、「Ⅰ」「Ⅳ」「Ⅴ」の和音は長三和音になります。
(「Ⅰ」「Ⅳ」「Ⅴ」以外は、別の和音になる)

音階を構成する音(#や♭がどこに付くか)が分かっていれば、コードは覚えていなくても作れます。

属調・下属調と主音・属音・下属音の関係

ある調のドミナント(属音)は、その調に対して#が1つ増えた(♭が1つ減った)調のトニック(主音)になります。
例:Cメジャーのドミナント(G)は、Gメジャーのトニック(G)

サブドミナント(下属音)はその逆です。
ある調に対して、#が1つ減った(♭が増えた)調のトニック(主音)になります。
例:Cメジャーのサブドミナント(G)は、Fメジャーのトニック(F)
サブドミナントは、音階の「主音の4度上」ではなくて、「主音の5度下」だそうです。
「下の属音(5度の音)」なので下属音とのこと。

調合の「#が増えると明るく・輝かしくなる」「♭が増えると暗くなる・くすむ」とされています。
これを踏まえると、トニックに対して「ドミナントに緊張感と推進力がある」「5度下のサブドミナントに懐かしさがある」と言われることも納得できます。

「Ⅵm」「Ⅲm」を覚える

カノン進行には、マイナーのコードが登場します。
この部分は「長調に短調の響きが入っている」「一時的に短調に移った」「短調の響きを借りた」と解釈します。

長調と同様に、短調の「Ⅰ(トニック・主音)」「Ⅴ(ドミナント・属音)」を覚えます。
カノン進行には出てきませんが、「Ⅳ(サブドミナント・下属音)」も覚えるとよいです。

調号の付かない「ラシドレミファソラ(イ短調・Aマイナー)」であれば、以下のとおりです。

  • A=Ⅰm(トニック・主音)
  • D=Ⅳm(サブドミナント・下属音)
  • E=Ⅴm(ドミナント・属音)

短調の曲であればこの表記を使います。
しかし、長調の中で短調の和音を使うのであれば、ドをⅠとして以下の表記をします。

  • A=Ⅵm(トニック・主音)
  • D=Ⅱm(サブドミナント・下属音)
  • E=Ⅲm(ドミナント・属音)

自然短音階上の音を1つ飛ばしで重ねて作られており、これらは全て短三和音(暗い)です。
「ラドミ」「ミソシ」のように、「短三度」と「長三度」の音を重ねてできるのが短三和音です。

短音階は3種あり、和音も変化する

短音階は3種類あります。

  • 自然短音階:長音階の5音から始まる音階
  • 和声的短音階:自然短音階の第7音を半音上げ、導音にした音階
  • 旋律的短音階:自然短音階の第6,7音を半音上げ、旋律をなめらかにした音階

「どの短音階を使っているか」でコードも変化します。
(簡単なコード弾きであれば気にしなくても良さそう?)

一例として、和声的短音階ならⅢ(短調のⅤ)が長和音になります。
例:イ短調 Aマイナーにおいて、第7音が半音上がり、ソ#になる場合、短三和音の「ミソシ」が長三和音「ミソ#シ」になる

Ⅰ~Ⅵは「長」か「短」、Ⅶだけ減3和音

音階上の音で構成する三和音は、以下のとおりです。

  • Ⅰ・Ⅳ・Ⅴは長
  • Ⅵ・Ⅱ・Ⅲは短(短調のⅠ・Ⅳ・Ⅴ)

つまり、Ⅰ~Ⅵは長三和音か短三和音になります。

Ⅶ(ハ長調・CメジャーならB)だけが「短三度」を2つ重ねて作る減三和音です。
ハ長調のB(Ⅶ)「シレファ」では、「シ←→ファ」が増4度(三全音)の音程になり、強い緊張・不快感があります。

応用:代理コードを知っておく

トニック・ドミナント・サブドミナントのコードは、類似した機能を持つ代理コードに置き換えることが可能です。
一例は以下のとおり。

コード代理コード
「Ⅲ」「Ⅵ」「C」→「Em」「Am」
「Ⅱ」「Ⅵ」「F」→「Dm」「Am」
「Ⅲ」「Ⅶ」「G」→「Em」「Bm-5」

これを応用すると、
カノン進行の「Ⅰ Ⅴ Ⅵm Ⅲm Ⅳ~」も
長調のコードに戻すと「Ⅰ Ⅴ Ⅰ Ⅴ Ⅳ~」
だったのではと推測することができます。

紹介した代理コードはほんの一部で、本来は四和音もあり、書籍によって解釈も異なります。
全部勉強しようとすると面倒くさいです。
「代理コード」の概念を知っておくだけでも、以下のように役に立つのではないでしょうか。

  • 「代理コード」の登場を想定して読むことで、知らないコードへの不安が減る
  • 置き換え前のコードを推測すると、どう弾けば良いかの手がかりになる

「各調でカノン進行を弾く」まとめ

ギターでよく使う調で「カノン進行のコードを弾く」のは、長調・短調の主音・属音・下属音をチェックできるので有益です。
全部やるのは大変ですが、「自分が弾いている曲」だけでもやっておくとよいでしょう。

クラシック曲を弾いていると、よく借用和音が登場します。
私の場合、「◯度調から借りたんだな」というところまでは分かるのですが、「借りた先の調合(#♭の数)が分からない」ことが多いです。
この問題も「カノン進行の繰り返し練習」で調を覚えると解消できそうです。

カノン進行を使って、アドリブをしてみるのも良い練習になります。
メロディは和音の和声音・非和声音を意識して考えます。
即興をする中で気にいった響きがあれば、コードに書き出してみるのも良い経験になります。

気になった学びがあれば、また記事にまとめる予定です。

今回の記事は以上となります。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。

この記事を貼る・送る際はこちら
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
この記事でわかること