私は普段マインドマップを使用して練習方法のリストをまとめています。
しかし、沢山の練習方法持っていながら、あまり実践出来ていません。
項目も多く全てを実践するには時間がかかります。
すると「結局時間が無いし出来ないからほとんどやらない」になってしまいます。
ある日、ぼけーっと練習方法のリストを見ていると、いくつかの練習は組み合わせられることに気が付きました。
組み合わせると、1種類の練習を行っているという意識で、必要に応じて要素を足したり弾いたりすれば良いわけです。
すると、沢山の方法をやらなければならないという意識は無くなります。
本記事では、組み合わせて一つに出来る練習方法を紹介します。
①プランティングで弾く
全てのタッチでプランティングを意識して弾きます。
組み合わせる練習の要素の中で、これが最も重要と考えています。
音が出ている状態の弦に指を置くと、その弦で鳴っていた音が止まります。
この瞬間は、指先に力は入っていません。
休む時間があることが重要です。
また、指を置く際はスピードは不要です。
そこから弦を押し込むと弦に指を押し返される反力や弦の硬さを感じます。
プランティングしたときとそうでないときで、この指先の感覚は違ったものになるでしょう。
このプランティングの指先の感覚を保ったまま、音が止まる時間をなるべく短くしていきます。
私の場合、普段は過剰にレガートで弾いていて、プランティングにより音が止まる時間があっても音楽は不自然になったりしませんでした。
このタッチが通常のものになると、効率良く大きな音を出すことが出来ます。
スルポンティチェロ(ブリッジよりを弾く)で演奏しても、弦の抵抗に負けずに硬い音を出せます。
偶にこの練習が上手くいくと、ゾーンに入ったような状態であまりに楽に弾けます。
プロは常にこの感覚で弾けているのだろうなと思います。
限界に近い速度ではプランティングは使えないと思いますが、プランティングを練習しておくことで右手と弦の正しい位置関係のマッピングが出来ます。
(リカルド・ガジェンは全ての音をプランティングするようです)
(ジュディカエル・ペロワはプランティングを行わないとインタビューに答えています)
②ゆっくり弾く
ゆっくり弾くことで、本来のテンポでの急がしさは無くなりますので、その分無駄の無い動きを心掛けます。
身体に良質な情報を叩き込んで技術を習得・記憶するために、ミスが発生する余地の無い速度で練習します。
ミスするための練習をしないことが重要です。
③pppで弾く
pppで弾くことにより大ぶりや余計な力みを排除することが出来ます。
右手と左手の両方を効率の良い動きに変えることが出来ます。
この練習方法が実際の演奏と異なる点としては「大きな音で弾く部分は、右手で弦を引き絞る強さに応じて左手で弦を押さえる力を強くする」必要があります。
これは、以下のどちらかで対応すると思います。
- 曲の強弱に応じて押さえ始めから左手の押弦の強さを変える。(リカルド・ガジェンの方法)
- 始めはソフトに指を置き、発音の瞬間までに力を強める。
時間があれば後者で対応出来ますが、リズムが鋭い場合は最初から左手を強く押さえざるを得ません。
そういった曲でも、②や③の練習によって、左手のプランティングのような意識で弾いておけばミスは減るでしょう。
④動作やフォームの点検
これは、練習項目というよりは①~③をしながら行う点検項目です。
以下の事項を点検します。
- 正しいフォームで構えているか
- 右手に力が入っていないか、無駄な動きがないか
- 左手に力が入っていないか、無駄な動きがないか
- 首、肩、腰、足等に余計な力が入っていないか(ボディスキャンを行う)
- 楽器と身体の位置関係は適切か
(ネックと左手、ボディと右手)
道具の使用
⑤メトロノームを使う
マルシン・ディラ氏が言っておりましたが「正確に弾く」ことが大事です。
(彼の言う正確は非常に深い意味を持っておりますので、曲解に注意します)
メトロノームに合わせての練習を「つまらない」と思うかもしれませんが、「つまらない」と「出来ない」を混同しないようにします。
「出来ていない」から「つまらない」のでは、ということです。
(これも自戒です)
少なからずストレスは溜まるのですが「完璧に出来ないもどかしさ」が原因であり、こういった感覚は上達の可能性を示していると思います。
重奏や合奏の機会が少ない人ほど、メトロノームを活用しましょう。
フォームや動きの点検に重点を置くならば、メトロノームに気が向いてしまうので、使わなくても良いでしょう。
⑥動画を撮る
余裕があれば、是非これも練習に組み込みたいところです。
動画を撮るメリットはこちらの別記事にて紹介しています。
ここでは、普段の練習から動画を撮るかどうかの話になりますので、見返す時間が取れる人は撮ったほうが良いでしょう。
今回の記事は以上になります。
私はウォーミングアップや基礎練習は実際に演奏するレパートリーを使ってやった方が良いと思っています。
そのため、練習の始めに2~3回、今回説明したの方法で基本を確認するのが良いと思っています。
例えば、以下のような順番です。
- 1回目
左手の運指の確認(ミス無しで弾いて記憶させる) - 2回目
左手と身体の脱力の確認 - 3回目
左手と右手の動きの確認(pppなので、右手は恐らく脱力済み)
平日は中々練習時間が取れませんが、効率的な練習をしたいところです。
最後までご覧頂き、誠に有難うございました。