【地震対策すべき】おすすめのギタースタンド「ハーキュレス」の話

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私は15年以上クラシックギターを弾いています。
ギターはケースに仕舞わず、すぐに手に取れるようにスタンドに置いています。
ギター歴のほとんどの期間で、ハーキュレスというメーカーのギタースタンドを愛用していました。
信頼性の高いギタースタンドであり、多くの人におすすめできます。

また、私は2024年1月1日の能登半島沖地震の際、震度7を記録した地域に住んでいました。
(40日ほど断水しました)
この体験を踏まえて、ギタースタンドの地震対策も考えてみます。

この記事でわかること

ギタースタンドを使う理由

「ギターを絶対に壊さない」ことが最大の目的ならば、ギターは毎回ケースに締まった方が良いです。
温度や湿度の変化、地震などからギターを守ることが出来ます。

それでも、私はギターをスタンドに出しっぱなしにしたいと思っています。
理由は以下の通りです。

  • すぐに楽器を手に取って練習できる
  • 音のコンディションを良い状態に保ちやすい
  • 木材や膠の乾燥が進む(エイジング・経年変化)

ケースを開けずにすぐに楽器を弾ける、というのはスタンドにギターを置くなら当たり前のことです。
他の2つを深堀りしてみます。

音を良い状態に保ちやすい

私は「ギターに使われている木が呼吸している」という説を信じています。
それが科学的に正しいかどうかはさておき、体感として、ケースに入れたギターよりも出しっぱなしのギターの方が音のコンディションが良いです。

良いタッチで弾いた際、ケースに仕舞わない方が音が早く目覚めると感じています。
悪いタッチで弾いて音が悪くなったとしても、出しっぱなしの方が音の回復が早いです。

本番に向けて楽器のコンディションを調整したいときは、ギターはスタンドにかけておきたいと思っています。

エイジング・経年変化が進む

良いクラシックギターは、充分寝かせて乾燥した材料によって作られています。
完成した時点で含水率はだいぶ低いのですが、プレイヤーが所有し演奏していくことで更に材は乾燥して鳴りが良くなります。

また、膠(にかわ)やラッカーなどの塗料は年数の経過によって硬化していきます。
(膠が完全に硬化するまで、5~10年以上と聞いたことがあります)
膠の硬化によって振動が吸収されず、鳴りが良くなります。

フレットの打ち替えやナット・サドルの取替などを行った後も、出しっぱなしで放置した方が楽器が馴染んで本来の状態になるまでのスピードが早くなると思っています。
(木の呼吸による)

私は部屋でスピーカーを大きめの音で鳴らしているので、こういった音を浴びせることも「弾き込み」に近い効果を楽器に与えているかもしれません。
普段あまり弾かない楽器を久々に弾いても、ある程度鳴ってくれます。

楽器の変化を促進させるために、以下のような楽器は出しっぱなしにしたいと考えています。

  • 新しい楽器(作られて10年経っていない)
  • 大きな調整をした楽器(塗装、割れ補修、ナット・サドル・フレットの交換など)
  • 弦を取り替えた直後の楽器

私は「ギターの寿命は50~100年しかない」という説を信じていません。
演奏によって寿命が減っていくギターも確かに見たことがあり、10年スパンで音が悪くなっていきますが、それはごく一部の例外です。
良い楽器はヴァイオリンやチェロと同じような年数で演奏可能です。
そういったことを踏まえると、「人間が暮らす部屋に一緒に置いておく」ことによる経年変化は、楽器にとってはすればするほど良いと考えています。

余談として、「ナポレオン・コスト本人が弾いたギターが発見されたとき、ケースの中で保管され状態は良かったが音は眠っていた」という話を聞いたことがあります。
これは極端なエピソードですが、「ずっとケースに仕舞いっぱなし」では時間が楽器の成長を助けてくれないという例だと思っています。

ギタースタンドを使うべき理由について、内容を整理します。
全て私の個人的意見です。

  • 絶対に壊したくないギターはケースに仕舞う
    (歴史的価値があるギターなど)
  • 本番で使うギターはコンディション調整のために出しっぱなし
  • 新しいギターや大きな調整をしたギターは出しっぱなしで変化を促す

上記の「楽器のコンディション」や「経年変化による楽器の成長」を考えると、ギターはスタンドに立てて出しっぱなしが良いと思っています。

ハーキュレスのギタースタンドは「頑丈・丈夫・安定感あり」

私はギタースタンドとしてハーキュレスの「1本用」と「5本用」の2つを使っています。

「1本用」は、ネックを立てかける部分が「ワ」のような形になっており、少々ギターがふらついても倒れないようになっています。

「5本用」は、ネックを立てかける部分を拡張して使っており、合計8本のギターを立てかけています。
(クラシックギター4本、エレキギター3本、エレキベース1本)

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ハーキュレスのギタースタンドは安定感があり、少しぶつかったぐらいでは倒れません。
丈夫で頑丈、しっかりとした作りであり、長く使っていて満足感があります。
見た目もスタイリッシュです。

おすすめしないギタースタンド

おすすめしないギタースタンドを2つ紹介します。

安いギタースタンド

1000円くらいの安いギタースタンドも、使用する上では必要十分な安定感があります。
物としては悪くないです。
しかし、個人的にはあまりおすすめしません。

長く使っていると「どうして自分の大切なギターにこんな安いギタースタンドを使っているんだ…」という気持ちが湧いてきます。
所有する満足感がないため、「外食1回分くらいのしょぼいものでなく、良いものを買えばよかった」と思う日がいずれ来ます。

ハーキュレスのスタンドも昔に比べて高くなってしまいました。
しかし、買い直しで無駄金を使うよりは最初から良いものを買った方が良いです。

追記:キクタニやキョーリツのスタンドも選択肢にあり、「安い=悪い」ではないと反省しています。

ボディだけ支えるスタンド(ネックのサポートがない)

ネックを支える部分のない、ボディを置くだけのスタンドは、おすすめしません。
コンパクトですが、全く安定性がありません。

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アマチュアの発表会でこのスタンドを持ってきた方がいましたが、身体がぶつかってギターが倒れていました。

こういったスタンドにギターを置くにしても、ごく短い時間だけ置いておく用途になるかと思います。
壊れても良いギターを置くためのギタースタンドだと思っています。

ギタースタンドの地震対策を考える

あえてギターを外気に晒しておくことがギタースタンドのメリットなのですが、地震でギターが壊れてしまっては元も子もありません。
ギタースタンドの地震対策を考えてみます。

個人的な被災体験から地震を考える

能登半島沖地震で震度7(6強)を記録した際、私は複数掛けのギタースタンドに駆け寄り、腕を広げてギターが倒れないように押さえていました。
自宅にいない状態で地震が来ていたら、複数掛けのスタンドのギターも倒れていたかもしれません。
(震度6でも大丈夫だった可能性もあります)
1本掛けのスタンドを気にした記憶はないので、倒れなかったはずです。

実は能登半島沖地震の約半年前、ゴールデンウィークに震度5程度の地震が発生していました。
このとき部屋にいましたが、ギタースタンドに駆け寄った記憶はありません。
ハーキュレスのギタースタンドは、震度4~5くらいまでは問題なく耐えられると感じています。

あらためて、能登半島沖地震の震度7(6強)で発生した被害を書き出してみます。

  • 道路の陥没・ひび割れ・地割れによる空洞化等が発生した
  • 人によっては家が傾いた(修理不可の場合、そのまま)
  • 棚や下駄箱、机の上のものは軒並み床に落ちた
  • 冷蔵庫が倒れた(後輩の話です)
  • 棚からテレビが落ちた
  • 電子ピアノ等の重量物も地震により動いた

自宅の中で発生した被害を通じて、私が感じたことは以下の通りです。

  • 地震は断層の向きによって、揺れる方向がある
    (向きによって、中身が落ちなかった棚もあった)
  • 揺れる方向はあるが、部屋のものが全て移動することはなかった
    (重量物は10~20cmほど動いた)
  • グリップが効いていて高さのあるものは、モーメントにより倒れる

地震対策の結論「いい感じに滑らせる」

ギタースタンドに限らず、地震対策として物が壊れないようにすべきことは「いい感じに滑らせる」だと感じています。

「中途半端に固定する」が最悪です。
天井まで突っ張り棒を伸ばすのがベストです。
しかし、家具などの床に接する面だけを滑らないようにしてしまうと、大きな重いものであっても倒れます。

「滑らせてしまうと、物が部屋の端から端へ移動するのでは」と思うかもしれませんが、私のケースでは大丈夫でした。
重い机が10~20cm移動しただけで済みました。
地震はあくまで「揺れ」なので、「地面ごと傾く」訳ではありません。
ただし、「家が傾いたまま」の例もあるので、ここは地盤によるとも言えます。

地震により「重い机が滑って自分に向かって突進してくる」というのはあり得る話ですが、もし滑ったとしても避けられるか、怪我をするほどのスピードではないと思っています。
滑ることよりも「滑り止めシート・マットで固定されている家具が倒れてくる」方が可能性が高く、より危険な状態だと身を持って体験しました。
(冷蔵庫の下敷きになったらまずいです)

地震対策の結論です。
ギタースタンドの足も、滑りやすい状態にすべきです。
ギターが不安定になる前に、ギタースタンドが床の上をスルスル動くのであれば、ギターは倒れません。

ギタースタンド(家具等にも)を滑らせる製品

私が購入したギタースタンドを滑らせる製品は以下のパッドです。
置くだけの製品なので、失敗することがありません。
来客があった際に、リビングからギタースタンドを滑らせて移動するときも便利です。
メリット・デメリットをまとめておきます。

メリット
デメリット
  • スタンドの足を加工せずに取り付けできる
  • 枚数が多いため、簡単に取替可能
  • カーペットでは滑らない
  • フェルトに埃が付く

年末のAmazonセールの際、Twitter(X)でやたら広告を見かけたのが下記の製品です。
実際、便利な製品だと思います。
ギタースタンドの場合、ゴムの足に鋲を指すことになりますが、確実な仕上がりになるか怪しかったのでやめました。

メリット
デメリット
  • カーペットでも使用可
  • 滑りはかなり良さそう
  • ギタースタンドに合ったサイズ選びが必要
  • ギタースタンドの接地面が斜めなので、うまく接地しないのでは?

直前まで購入するか悩んだのが、「ニチアスのカグスベール」です。
仕事で製品を使うこともあり、ニチアスは信頼しています。
貼るタイプだったことで断念しましたが、置くだけでも使えるかもしれないと思っています。

メリット
デメリット
  • カーペットでも使用可
  • 滑りは良さそう
  • ニチアスの信頼度が高い
  • 貼り付けするタイプ
    (置くだけでも使えそう)

お使いのギタースタンドの種類によっては、シンプルなフェルトを貼るタイプも良さそうです。

メリット
デメリット
  • 取り付け、張替えが簡単
  • 目立たない
  • カーペットでは滑らない
  • 貼るための平面が必要

おすすめのギタースタンドと地震対策、まとめ

ギターの音のコンディションを保ち、音色を成熟させていくために、ギターを出しっぱなしにしておくことを推奨します。
ただし、替えがきかない銘器はケースに仕舞う方が良いです。

ギタースタンドは、ハーキュレスが堅牢で安定感があり、おすすめです。
昔に比べて高くなりましたが、この製品であれば生きている限り買い替えすることもないでしょう。

ギタースタンドを使うにあたって地震が心配です。
床面で滑ってくれれば、スタンドが倒れる可能性が激減します。
これはギタースタンド以外の家具にも同じことが言えます。

今回の記事は以上となります。
最後までご覧いただき、誠に有難うございました。

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