プロのクラシックギター奏者になろうとする方は、「海外留学するかどうか」について悩む場面があると思います。
クラシックギター奏者になるための海外留学について、私は所感をまとめます。
私は海外留学の経験はありませんので、門外漢の戯言として読んで下さい。
響きや音楽の立体感が全く違う
海外留学した奏者は、響きや音楽の立体感に優れているように思います。
ピアノの鍵盤やギターのフレットでは高さ毎に区切られた音を目で見ることが出来ますが、そういった単なる平面を超えた演奏を留学経験のある奏者は聴かせてくれます。
日本の音大で学んだ方にも、音への感覚に優れた方は大勢いますが、やはり留学経験のある方に軍配が上がる印象です。
「小さなオーケストラ」とも呼ばれるクラシックギターの本来の魅力を伝える演奏をするには、響きや立体感の要素は不可欠に思います。
文化・言語が違う
クラシック音楽はヨーロッパの音楽です。
言葉や文化と音楽は密接に関係していると思います。
言語の響きや言葉の区切りは、歌詞のない器楽であっても影響する筈です。
文化や宗教観も、楽曲の真の意味を知ることに繋がるでしょう。
音楽を演奏する環境が違う
日本とヨーロッパを比較した場合、畳の部屋と洋室のように、普段過ごす環境でさえ響きが全く変わってきます。
演奏する環境によって、本人が持つ音楽の立体感も変わるように思います。
最近、友人と会話した際に「部屋(リビング)を縦に使うか、横に使うかで響きが違う」という会話をしました。
いかにもヨーロッパな洋室を用意することは無理でも、響きを重視した環境作りを心がけるべきと思います。
私は実家の畳の部屋で良く録音していました。
(布団がしまってある押入れがありました)
録音環境としてはデッドで吸音材いらずですが、響きを聴く観点では成長できない条件でした。
将来有望な演奏者は留学すべき
音楽の「指導」でなく「演奏」を仕事にしたいのなら、有望な演奏者は是非海外留学して欲しいと思っています。
単に指が速く動くだけの演奏を聴いても、私のようなギター経験の長いアマチュアは「練習時間さえあれば、あれぐらいは私も弾ける」と強がってしまうところがあります。
そうすると、「人の演奏でなく、自分の演奏を磨いた方が良い」という結論になります。
技術的な次元を超えた深みのある音楽性を見せられると「やはりプロの演奏は違う」「もっと演奏を聴きたい」と思わされます。
そう思える音楽家がもっと増えて欲しいと心より願っております。
留学が必ず報われる訳ではないが
留学して活躍している音楽家について、留学して成長したのか、元から凄かったのかは分かりません。
成長するかしないかは、本人の感受性次第だと思います。
感覚的なところが大事だと思うので、私のように理屈っぽいタイプは難しいかもしれません。
演奏に関する才能がある方であればあるほど、留学で受け取る情報で大きく成長出来るのではないでしょうか。
ふと思い返してみると、今まで私が継続して習った5人のプロギタリストの先生は全員留学していました。
最後までご覧いただき、誠に有難うございました。