「クラシックギターを始めたい!ギター以外は何を買えば良いの?」
初心者がギター以外に買うべきものは多く、迷ってしまいます。
この記事では、初心者が最初に揃えるべきおすすめアイテムを紹介致します。
クラシックギター歴10年以上、300万円超えのギターを持つ著者が本当におすすめ出来るもののみ紹介致します。
初心者セットで揃えるのはダメ?
ネット通販で売っている初心者向けのセットではダメなの?
そう思う方も多いと思います。
結論として、
「ネット通販で売っているセットはそれなりに優秀」です。
ただし、本当に良いものの他に、下記のようなものも混じっています。
[st-mybox title=”初心者セットが悪い理由” webicon=”st-svg-check-circle” color=”#757575″ bordercolor=”#BDBDBD” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]
- 在庫として古くなったもの
(品揃えために仕入れているが、売れないもの) - あまり良くないもの、いずれ買い替えが必要になるもの
- そもそも買う必要のないもの
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選ぶのが面倒なら、初心者セットを購入してかまいません。
結局、買い直しが必要で割高になってしまうことがほとんどです。
せっかく楽器を初めたのですから「自分の意志で選びたい」「こだわりがある」方には是非ギター以外のアイテムも自分で選んでほしいのです。
演奏は自己表現ですし、わがままになりましょう。
自分で選ぶと、感性も磨かれる
自分でアイテムを選んだほうが、感性も磨かれていきます。
目と耳が肥えるのです。
自分の意見を持つことが大事です。
「明るい音がする弦が欲しい!」という意見があって、弦を買ったとします。
すると、
「思ったよりも音が明るすぎたな・・・」
「音の明るさは良いけれどバランスが気になるな・・・」
といった感想を持ちます。
こういった経験を繰り返すと「違いの分かる人」になれます。
テレビ番組の楽器の聴き比べでも、違いが分かるようになります。
サウンドハウスを使おう!
楽器関連の商品を扱っているサウンドハウスというサイトは非常に安いです。
千葉にある会社が運営しています。
楽天やAmazonよりも安く、おすすめです。
楽器関連の他に温泉等を経営している会社で、オーナーが楽器好きな方です。
「利益を削ってでも楽器好きを応援したい」という思いが、異常に安い価格に反映されています。
取り扱っている商品も、初心者向けからプロユースまで様々です。
クラシックギター初心者が絶対に買うべきもの
足台(演奏時に足を乗せる)
おすすめ① OHASHI ( オオハシ ) / FT-2A
他の足台と比べて1000円程高いですが、国内のコンクールで最も標準的に使われている足台です。
安定感抜群で、丈夫です。
昔は他メーカーもありましたが、今はオオハシの足台の一強です。
おすすめ② HERCULES STANDS ( ハーキュレススタンド ) / FS100B
「オオハシよりは安いものが良い」という方はハーキュレスがおすすめ。
サイズも充分で、機能はオオハシに劣りません。
ゴムが貼ってあるため、そこにホコリが付着していくことが難点です。
買ってはいけない足台
アルミ製の軽い足台は、おすすめしません。
(プロで使用している人もいます)
軽くて持ち運びに便利と説明されていますが、アルミなので体重をかけすぎると変形します。
スチール製に比べて不安定です。
特に小型のタイプはやめましょう。
足台を倒す人をサークルで何人も見かけました。
ギターケース
おすすめ① RITTER RGB4-CT
ギターケースについて、ソフトケースは本来おすすめしません。
楽器を保護する機能が全く無いからです。
多少スポンジが入っているものでも、電車で押されればギターが潰れて割れます。
次に紹介するスーパーライトケースがおすすめです。
しかし、安価な楽器を買った人にとってはハードケースは高価過ぎます。
「ギターの値段=ケースの値段」では納得できないかと思います。
背負えること、楽譜や足台を入れるスペースがあることを条件として、ソフトケースでは下記のケースがおすすめです。
おすすめ② スーパーライトケース
ギターケースに2万円ちょっと出せる方には、スーパーライトケースを心から推薦します。
私も使用しており、100万円以上のギターでも安心して入れることが出来ます。
もっと高いものもありますが、機能的には最高峰のケースです。
特徴は以下の通りです。
- 高級感がある。
(ネットの画像では分からないでしょう・・・) - 撥水性のあるポリエステル生地とYKKの止水ジップを使用
(雨が侵入しない) - スタイロフォームを使用しており、外からの衝撃を吸収し、圧力に耐える
- スタイロフォームは断熱性能が高く、夏場の高温にも対応
(長時間は無理ですが)
買ってはいけないギターケース
- 中途半端な価格のソフトケース
いくらそれらしい見た目だったとしても、ソフトケースは楽器を保護してくれません。
スポンジの上から殴られても痛いのと同じです。
ソフトケースは、安いのが魅力です。
お金をかけて良いなら、ハードケースにすべきです。 - 昔ながらのハードケース
重く、持ち運びに不便です。
ケースの保護機能は良いので、重さを気にしない人にとっては良いアイテムです。
1万円前後のセミハードケース - 中途半端な価格のセミハードケース
一見、スーパーライトケースと同じような見た目のケースが1万円前後で売られています。
しかし、実際に手にしてみると作りの良さが全く異なります。
大学のサークルで使われていた例を見ますと、2~3年以内に布地が破れたり、ストラップの金具が壊れたりしていました。
チューナー(音を合わせる)
おすすめ① KORG ( コルグ ) / AW-4G-BK PitchCrow-G
クリップ式チューナー
かなり安いチューナーもネット上では販売されていますが、おすすめしません。
チューニングは演奏の出来を左右する重要な要素です。
そのため、信頼出来るKORG(コルグ)製を推奨します。
同じKORG(コルグ)製でこちらより安いものもありました。
しかし、「画面の向きが替えられない」「音程の判定が緩すぎて正確でない」といったものは除外しています。
クリップチューナーは周囲の音を拾わないので、騒がしい環境でもチューニング可能です。
サークルなどで何人かと同じ部屋で弾く可能性がある方は、絶対にクリップタイプを選びましょう。
おすすめ② TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) / UniTune Clip クリップチューナー
なるべく安く、レベルが高くなっても使えるものとしてKORG(コルグ)製を推奨しました。
値段はあまり気にしていない、更に良いものを教えて欲しいという方にはこちらをおすすめします。
私も、ステージ用としてはこちらを使用しています。
(サウンドハウス以外が高いです)
番外編 スマホのチューナーアプリ
チューニングがズレた状態で演奏していると、音感が磨かれません。
かといって、いきなり高価なものを買うのも抵抗があると思います。
そんな方に、スマホのチューナーアプリをおすすめします。
スマホのマイクは音を拾うには充分な性能です。
私は自宅でのチューニングは全てスマホ・タブレットのアプリで行っています。
音律や基準音を変更出来るものもあります。
楽譜アプリも出している、Piascore(ピアスコア)のチューナーがおすすめです。
信頼と実績があるので、長いサポートが期待出来ます。
機能もアップしますし、国内のエンジニアへの応援も兼ねて有料版を使っています。
楽器チューナー by Piascore | Piascore
私は「Cleartune」も使っていましたが、今後もサポートが続くかどうかが怪しいです。
教則本
教則本は、内容が充実したものを買いましょう。
とっつき易そうな文字の少ない、薄いものを買うとすぐに使わなくなります。
下記の2冊は一生使える教本です。
おすすめ① 改訂新版 カルカッシ・ギター教則本
ボリュームを重視したい方にはこの「カルカッシ・ギター教則本」がおすすめです。
ギター初心者の方が上達するのに充分すぎる量があります。
上達のアドバイスも豊富に書かれており、文句なしの一冊です。
おすすめ② 教室用新ギター教本
上の「カルカッシ・ギター教則本」程のボリュームはありませんが、初心者向けの定番曲が網羅されている「教室用新ギター教本」もおすすめです。
「カルカッシ・ギター教則本」よりもとっつきやすいかもしれません。
こちらも段階的に上達出来るような解説が充実しています。
爪やすり(右手の爪を削る)
ギター演奏で良い音を出すには、右手の爪が滑らかである必要があります。
爪切りで切っただけの状態では、指先に違和感があり、音も悪いです。
爪切りに付属しているヤスリでも使えないことはないです。
(ギター教室の先生には怒られます。)
しかし、仕上がりの良さと手入れの頻度・時間を考えると専用の爪やすりを使うべきです。
おすすめ① ブラジェク ガラス製爪やすり
イチオシはガラス製の爪やすりです。
金属製と異なり、「黒板をギーッと引っかく」ような不快さが少ないです。
長めのタイプ(20cm)をおすすめします。
長いやすりなら、力が不要でチェロの弓を弾くように爪を削ることが出来ます。
唯一の欠点は、衝撃により割れる可能性があることです。
おすすめ② 匠の技 ステンレス製爪ヤスリ
持ち運びには、こちらのステンレス製爪ヤスリがおすすめです。
両面でヤスリの荒さが違うため、少なくともどちらかは爪質に合うでしょう。
私も外出先では割れない金属製のヤスリを使います。
替えの弦
よくセットで付いてくるのですが、ヤマハの弦はおすすめしません。
ヤマハの弦自体は、そこまで悪いものではないです。
しかし、クラシックギター奏者(アマ、プロ)でヤマハの弦を張る人はほとんどいません。
結果として売れ残りの弦をセットに付けることが多くなります。
長持ちするタイプの弦でもないので、初心者がヤマハの弦を選ぶ理由はありません。
おすすめ① プロアルテ ノーマルテンション EJ45
初心者向けの弦としては「プロアルテ ノーマルテンション EJ45」がおすすめです。
素直な音で、タッチへの反応に優れています。
ノーマルテンションの方が、自分でコントロールする感覚を得やすいでしょう。
(プロアルテは全体的にテンション低め)
派手な音ではないので、初心者向けギターの短所を隠してくれるタイプではありません。
長い期間、張りっぱなしにしても、比較的良い状態を保ってくれます。
おすすめ② オーガスチン リーガル レッド セット
「プロアルテは無難すぎてつまらない、楽器の音を替えてくれる弦を教えて!」
という方にはオーガスチンというメーカーの「リーガル レッド セット」がおすすめです。
ツヤと色気があり、歌わせやすい高音弦の「リーガル(紫)」と暖かみのある豊かな倍音が特徴の低音弦の「レッド」がセットになっています。
日本人が好きな「太くて艶のある音」を持っているセットです。
個性のある弦ですが、初心者用の楽器でしたら問題なく合うでしょう。
欠点があるとしたら、「テンションが高いこと」「低音弦がボケやすいこと」です。
「リーガル(紫)」は弦の太さの割に鳴らしやすいので、困ることはないかと思います。
クラシックギター初心者には不要なもの
ピック、ピックケース
クラシックギターの演奏では、ピックを使いません。
私も持っていますが、買って少し使ってから8年位触っていません。
とはいえ、1度は欲しくなるものです。
初心者セットに付いているものを使うのではなく、自分で選んだ方がテンションが上がると思います。
ショッピングモールなど、お近くの楽器店で探してみましょう。
楽器を拭くクロス(布)
怒られるかもしれませんが、誤解を恐れずに言います。
安い楽器はハンカチやティッシュで拭いてかまいません。
(ハンカチの硬い角には注意、繊維によって微細な傷が付く可能性はあります)
ものによりますが、15万円以下のギターはウレタン塗装が使われています。
とても丈夫な塗装です。
私が初めて購入した18万円のギターもウレタン塗装でした。
雨の日のレッスンで服が濡れても、ギターは水を弾いていました。
(本当は濡れた状態で触りたくないのですが)
ウレタン塗装に関してはこちらの記事が参考になります。
木の基礎知識 マルトクショップ「もくもく通信」6ウレタン塗装した木材のお手入れ
楽器を売る側としては、購入したお客様に「良いものを買った」と満足してもらうことが大事です。
高級な品物を買ったと思ってもらうために、安価な楽器だったとしても「大事にしてあげて下さいね」と強調するでしょう。
「そんなに高級なギターじゃないんで、ティッシュで拭いて良いっすよ~」とは口が裂けても言いません。
私も楽器を大事にしている方だと思いますが、ウレタン塗装のギターはティッシュで拭きます。
ギターポリッシュ(洗浄剤)
初心者向けのギターの掃除にギターポリッシュは不要です。
ウレタン塗装なので、落ちにくい汚れは部分的によく絞って水拭きしましょう。
窓を拭くときのように、息をかけて曇らせるのも良いです。
30万円以上の楽器はセラックやカシュー等の塗装が使われていますので、水拭きしてはいけません。
(高級なギターでもポリッシュはいらないかと・・・)
教則DVD
今のご時世、Youtubeがありますので教則DVDは不要と思います。
DVDを付けた分、本としての内容のボリュームが減ります。
内容の濃い教則本を持っておいたほうが、一生使い続けることが出来ます。
「パソコンが全然使えません」という方は、1つ位はDVDがあっても良いかもしれません。
(PCが使えない人は、そもそもこの記事にたどり着いていないと思います。)
ワインダー(弦を素早く緩める)
弦を交換する際に、素早く糸巻きを回すためのワインダーというアイテムがあります。
ワインダーは、余程頻繁に弦を交換する人(月に1回等)でなければ不要です。
(弦を良く替える人は、持っておいたほうが時短になります)
楽器に慣れないうちにワインダーを使うと、糸巻きのツマミに大きな力がかかり、破損してしまう可能性があります。
「私、不器用かも・・・」という方は指の方が安全です。
あったら良いもの
弱音器(弦をスポンジで挟み、音を弱める)
商品のパッケージデザインがギターブームの頃から変更されていない商品なので、怪しく見えるかもしれません。
しかし、この商品は非常に優秀です。
大きな音が出せない場合に使います。
家族が隣の部屋にいたり、賃貸で夜中に大きな音が出せない場合に便利です。
サイレントギターという音が共鳴するボディが無いギターもあります。
弱音器があれば、サイレントギターはいりません。
譜面台(楽譜を載せる)
人前で演奏する方や演奏環境にこだわりたい方は譜面台を買いましょう。
「今すぐにはいらない」という方は、卓上スタンドで代用しましょう。
譜面台選びのチェックポイントは、以下の通りです。
- 楽譜を置く面積が大きいこと
- 軽いこと
- 安定していること
おすすめ① アリア AMS-200
折りたたみ式で、楽譜を置く面積が大きいこちらの譜面台がおすすめです。
楽譜を置く面の上と下両方から延長のバーが伸びています。
アルミ製で軽く、持ち運びも楽です。
おすすめ② OHASHI ( オオハシ ) / MS-228
私は自宅ではこちらの譜面台を使っています。
オーケストラで使われているタイプです。
誤って譜面台を倒してギターに傷を付けるのが嫌なので、大袈裟なものを使っています。
譜面置きに穴がなく、安定しているので楽譜への書き込みもしやすいです。
持ち運びしない前提なので、完全に贅沢品です。
ギタースタンド(ギターを立て掛ける)
ギタースタンドがあると、ギターを出しっぱなしにすることが出来ます。
練習するまでの準備の作業が減るので、意外と重要なアイテムです。
ギターケースにソフトケースを選んだ方も、毎回ケースに入れるよりスタンドに置いた方が楽です。
(ハードケースなら出し入れが容易)
おすすめ① ギター スタンド GGS-2020B
安価なものですが、機能面で不満はありません。
(軽いため、動きやすいです)
誤ってギターが落ちないよう、ネック部分にストラップが付いています。
おすすめ② HERCULES STANDS ( ハーキュレススタンド ) / GS405B
私はこちらのギタースタンドを使っています。
安価なものより安定しています。
(安いもので充分ですが)
部屋にずっと置き続けるものなので、あまり安いと気分が上がりません。
買ってはいけないギタースタンド
通常のギタースタンドよりコンパクトなネックを支える部分がないギタースタンドもあります。
これは、長時間楽器を置くには向いていません。
地震が発生したら、終わりです。
歩いていて、身体にギターを引っ掛けてしまったら、ギターが倒れます。
発表会で、このタイプのギタースタンドを使っている方がいましたが、ギターを斜めに置いてしまい、ギターが倒れてしまいました。
私は絶対にこのタイプのスタンドは買いません。
「初心者が揃えるべきギターアイテム」まとめ
記事の冒頭で「ネット通販で売っているセットはそれなりに優秀」と書きました。
記事を書き終えて分かりましたが、本当におすすめ出来るものはネット通販で買える初心者セットには入っていません。
チューナーやピックを見ても明らかにコストカットされています。
これはあくまでネット通販の初心者セットの場合の話です。
いわゆるギター専門店では、かなり良いものを付けてくれます。
動画で上達したいという方には、下記の記事もおすすめです。
初心者から上級者まで!上達に役立つクラシックギターのYoutubeチャンネルをまとめる。|クラシックギターの世界
最後までご覧頂き、誠に有難うございました。