久しぶりに真剣に演奏を録音しております。
期限があるのですが、まだ終わっておりません。
こんな記事を書いている場合ではないのですが、書くことで思考を整理できます。
録音に関する注意点とメリットをまとめます。
録音に関する注意点
慎重になるのは良いが、力むのはダメ
ミスに対して慎重になるのは仕方のないことだと思います。
悪いことだとは思いません。
力むのは絶対にいけません。
ミスを減らしたいという気持ちが先走って力むと思います。
しかし、「力を入れる」と「ミスが減る」訳ではありません。
むしろ、力むことにより指先の感覚が鈍くなります。
(重いものを持ち上げたり、戦うときは指先の動きは重要ではないため)
また、力むと楽器の音が潰れます。
何とかノーミスの演奏が取れたとしても、太いリッチな音にはなっていないでしょう。
理想は高く、しかし現実的に
録音は何度でもやり直しが聴くものです。
(時間のリミットは存在しますが)
本当に自分がやりたい音楽を撮らねばなりません。
単なるノーミスの演奏は機械がやれば良いことで、無意味・無価値です。
やりたい表現が盛り込めているかを徹底的に考えましょう。
音に方向性があるか、出したい音色になっているか・・・
これが出来ている人が注意すべきと思ったのが「ギターが出せる音以上の音を求めては行けない」ということです。
木管、金管、擦弦楽器の音をイメージしてギターを弾くことは大事ですが、実際にその音が出るわけではないです。
音色に限った話ではないですが、録音以外でも実現可能な範囲を超えたこだわり過ぎは身を滅ぼすと思いました。
「リスクジャンキー」「死にたがり」「いつまで経っても演奏の難易度が高すぎ」になります。
(そもそも狙った音を出している人の方が少ないですが)
プロとの違いは?
ステージで安定したパフォーマンスを発揮するプロは、私の目から見ると「リスクを取っていない」ように見えます。
例えば、ちょっと音が切れることに対して何の動揺もしていません。
それでも彼らの音はアマチュアに比べて圧倒的に情報量が多いです。
これは、コントロールするパラメータ数の違いなのではと思います。
視野が狭いことにより、ひとつの要素で過剰に完成度を高めようとすると「リスクを取りすぎ」になります。
プロのように音楽に関わる様々な要素をコントロール出来るようになりたいものです。
雑音は諦めろ
アマチュアが自宅でレコーディングするなら、雑音は絶対に入ります。
諦めましょう。
スタジオやホールを借りるのは面倒なので、私はやりたくないです。
日常に組み込めないことは中々続きません。
自宅の外を通る車の音は絶対に録音に入ります。
録音をしていて最後の和音が消えるギリギリのところで、駐車場から車のドアを締めるバタンという音がなったこともあります。
エアコンの送風音は論外です。
冷蔵庫のジーという音も気になります。
それ以外の待機状態の家電や照明の音も含め、無音はありえません。
実家では畳の部屋が静かでしたが、冬は寒いし、畳が足の裏を剥がれるカサッという音がなります。
鼻息含め、もう雑音はどうでも良いと思うことにしました。
きりがないです。
セゴビアの演奏はノイズが多くても感動します。
情報量を切り落とす位なら、ノイズがあったほうが良いです。
(と、諦めきれない自分を納得させています)
録音のメリット
自分の欠点に気が付く
録音した音を聴いてみると、演奏の意外な欠点に気がつくことがあります。
私の場合は「木を見て森を見ず」になっていることが多かったです。
具体的にはテンポやフレーズ感、ルバートです。
集中して細部にこだわり過ぎるほど、そうなりがちでした。
音楽は横の連なりで出来ているので、「瞬間・縦」も大事ですが「流れ・横」の方がもっと重要です。
「思っている音量より小さく出てしまった」と思っても、その後の音を調整出来ればミスにはなりません。
その活きた調整があることによって、即興感、ライブ感が生まれます。
演奏に対して先生から指摘を受けるような感想を、録音であれば自分だけで気が付きます。
音楽経験豊富な方なら「どう演奏すべきか」は既に知っているのです。
岡目八目、そもそも当事者には見えていない場合が多いです。
緊張に慣れる
相手が人間ではない、ただのマイク(やビデオカメラ、スマホ)だったとしても緊張します。
普段から録音していない方は尚更緊張しやすいと思います。
私もまだ慣れませんが、慣れてもきっと少なからず緊張は残るのではと思っています。
これは、「撮られている、記録されている意識がある」からだと思います。
いくら録音慣れしたとしても、この意識の差により単なる練習と同じように弾くことは出来ません。
本番を想定した良い練習になるのではと思います。
今回の記事は以上となります。
最後までご覧頂き、誠に有難うございました。