右手のタッチを確認する練習は毎日した方が良い。

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先日、益田正洋先生の公開レッスンを聴講しまして、
右手の指が完全に独立して動いている様子が
一般プレイヤーと比較して歴然と違っていました。

懇親会で練習方法を聞いてみたところ、
シンプルな単音・和音でタッチの感覚や動きを確かめることに
とにかく時間をかけているとのことでした。
フェイスブックで見ましたが、ホルヘ・カバジェロ氏も
同じ方向性の練習をしているようです。

正直、幼少期からクラシックギターを弾いていることにより
特殊な神経回路が発達しているだけなのでは、
という疑いもあったのですが、

以前紹介したM.ジュリアーニの120のアルペジオを使って
30分、たった1度だけタッチを確認する練習をしてみたところ、
右手の指が独立して動くようになったことを明確に感じました。
(もちろん、益田正洋先生には全く及びません)

弾く音のパターンは何でも良いのですが、
(120のアルペジオは時間がかかり過ぎる)
この右手のタッチを確認する練習は毎日した方が良いと思います。

今回の記事では、そのメリットや注意点をまとめます。

この記事でわかること

やり方!

右手のタッチを確認する練習について、
単音、和音、アルペジオ、どの弦を使うか等の項目は何でもかまいません。
その人次第です。
わたしはM.ジュリアーニの120のアルペジオを使いました。

下記のことを意識して、シンプルに弦を弾くだけです。
まだまだありそうですが、1日で思いついたのはこれくらいです。

  • 非常にゆっくり、感覚を確かめるように弦を弾く
  • 弦を指のどこで捉えたか、どこでリリースしたか意識する
    (私の場合、特に「親指p」について意識する)
  • 弦に圧力を加え、リリースした指の動きを確認する
  • 弦を弾く指だけを動かす(指の独立)
  • 音量を完璧にコントロールする
    (開放弦であっても、和音のバランスに注意する)
    (私の場合、特に「薬指a」について意識する)

メリット!

指が独立して動くようになる

これまで散々速弾きに関する記事を書いておきながら、
指の独立に関する目線がすっかり抜けておりました。

他の指がなるべく動かないよう、特定の指のみを動かすという練習を
私はほとんどしたことがなかったと思います。

この練習によって、指の独立性が確実に向上します。

全ての状況で指を独立して動かす必要はないのですが、
能力を磨いておくに越したことはないでしょう。

(手や腕でなく)指を動かす良い癖が付く

「(腕や手でなく)指から動かすようになること」も地味ではありますが、
大変良いメリットだと思います。

私は初心者の頃、良い音を出しやすいからといって手の甲を頻繁に動かして
演奏していました。
また、速いアルペジオの際にも手の甲を動かして演奏していた結果、
本番の緊張した状況では、手の甲は動かせるが、指はほとんど動かない
という致命的な状況に陥ったことがあります。

ピアノでも、手や腕の重みを使うだけでなく、
「ちゃんと指を動かしましょう」という指導を耳にします。

音量、音色のコントロール能力が向上する

静かなホールの中で、曲の終わりの和音を弾くときに、
和音のトップノート(一番上の音)を「a(薬指)」で弾いて
音量が大きすぎたor小さすぎたことや
それを不安に思ったことはないでしょうか。

薬指aはiやmと比べて僅かに感覚が鈍いようにも思いますし、
隣の指がつられて動くことにより更にコントロールの難易度は高くなります。

この練習によって「指からの弦への入力・その時の感覚・結果(音)」の
3つを正確に把握するようにすべきです。

ミスが減る

弦と指が接した感覚を鋭敏にすることが出来るので、ミスが減ります。

プランティングの練習を極めてゆっくり意識的に行っているようなものですので、
ミスしにくくなるのは当たり前のことかもしれません。

疲れずに弾ける

これもプランティングのメリットと同じなのですが、
弦をタッチした感覚をしっかり知覚するようにすると
指から弦へのエネルギーの伝達効率が上がります。

この練習をしっかり行うことで、プランティング的な感覚を得にくい
シチュエーションでも弦を掴まえる感触を得やすくなります。

今回の記事は以上となります。

指を正確に速く動かすのが上手なプレイヤーでも
タッチの感覚が薄ければ、音の正しく思いを乗せられず、
演奏はガサツに聴こえてしまいます。
(それが味になるジャンルもありますが、クラシックは違います)
右手のタッチを確認する練習によって、能力を磨くべきと思います。

最後までご覧頂き、誠に有難うございました。

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