演奏技術

(続き①)太い音を出す方法について。

先週末、日本の某所で行われた発表会に参加しました。
私の演奏内容は準備不足でボロボロでした。
しかし、練習で意識していた以下の内容は概ね達成出来ました。

  • 冷静に弾く(がむしゃらになると、指先や音の感覚を失う)
  • 独立した指の動きで弾く(腕の動きで誤魔化さない)

概ね「練習の演奏=本番の演奏」でしたし、緊張を想定した練習の成果が出ました。
失敗したのは練習で出来ていなかった部分です。
そのため、難所を練習の時点で弾けるようにしてさえおけば、本番でも理想を再現出来る確信を得られました。

私の演奏の感想はどうでも良いです。
前回の発表会以来、久しぶりに友人のギタリストと会うことが出来ました。
この方から、前回お会いした際に、「柔らかく太い音」を出す方法を伺っておりました。
詳細は以下の記事です。
太い音を出す方法についてまとめる。|クラシックギターの世界

この記事を書いてから、「太い音」に関しては何となく糸口を見つけていながらも、完全には会得出来ずにほったらかしておりました。

再度、「柔らかく太い音」を出すタッチについて考えてみます。

奏者ごとの音色は天性のもの?

ギターを弾く際の音質は奏者の個性によって異なり、稀に抜群の右手のタッチを持つ方がいます。

私のギター歴の中で出会ったアマチュアの中で、はっきりと音が違うと感じているのは4人位です。
(大学時代にもそういった音を出す後輩がいました)

この奏者ごとの音色を作っているのは「奏者が持っている音のイメージ」と「指の動かし方の癖」だと思われます。
「良いタッチ」と「音への良い感覚」という才能がある奏者であれば、素晴らしい音を自然に身に着けています。

天賦の才もかなり大きい要素なのですが、「柔らかく太い音」は才能が無いと出来ない訳ではなく、後天的に会得することが出来るものと思っています。
(そう考えを改めました)
「あの人は才能・センスがあるから」といって、工夫することをやめるのは現実逃避です。

プロでも全員が出来る訳ではない

「柔らかく太い音」は、プロの奏者でも全員が出せる訳ではないと感じます。
「演奏の上手さ」と「音の良さ」は別物です。

「柔らかく太い音」を出せるかどうかは非常に感覚的な内容になりますので、これが出来ない奏者だからといって悪いとは思いません。
人に指導するのも非常に難しい内容と思います。
(教わっても、出来ない人の方が多い)

柔らかく太い音のメリット

「柔らかく太い音」を会得すると、以下のメリットがあると感じています。

  • 単純に美しい
  • 弦の感触が柔らかくなる(弾きやすくなる)
  • 柔らかい音が出せることで、音楽の表情が増える
  • 楽器がへたらない

演奏に多彩な表情を付け、音色の幅を広げるためにも「柔らかく太い音」を会得したいところです。

楽器は音を記憶する

楽器は奏者がどのようなタッチで弾いたかを記憶します。

硬い音ばかりで弾いていると楽器自体も硬くなり、とっさに柔らかい音が出しにくい状態となります。
(私のように)

一度硬くなった楽器でも、タッチが柔らかい奏者が弾くとものの3分位で楽器が柔らかくなります。

また、練習でガチガチになった楽器でも、会場に到着して楽器を取り出すと柔らかくなっていることがあります。
これは恐らく移動時の振動(車や電車、徒歩)で楽器がリセットされているのだと思います。

「柔らかく太い音」の出し方

友人のギタリストのアドバイス

友人からは「リリースの瞬間の弦の感触を感じる」というアドバイスを頂きました。
本来はもうちょっと説明がありましたが、私のアイデアではないので全部は公開しません。

これを試してみたところ、確かに音が柔らかくなる感覚を感じました。

筆者のケース

私の音が硬いのは「力みすぎ」とはまた別の理由がありました。

それは「遠達性の求めすぎ」です。
「音は聴く側に届かなければ意味がない」という意識が強すぎました。
一般には、音が飛ばない奏者の方が多いため、明瞭な音を出すことが強調されています。

私の場合はあえて「自分が心地よく聴こえる音を優先する」意識で弾くと更に音が太く柔らかくなりました。

指先で音の形を作る

「太い音」を出すのに重要なのは、指先で音の輪郭を作る意識を持つことです。
(現時点での答えで、もう少し先もありそうです)

シャボン玉を吹くのに似た感覚と思っています。
息の量が多すぎたり早すぎたり、筒を持つ手がブレるとシャボン玉は割れます。

ギターの音も、力や瞬発力があり過ぎると「鋭さ・明瞭さ」が増えてしまいます。
音の形を潰さないように、力まずに弾くことが重要と感じました。
(少年漫画の修行編のようです)

力まないように弱音からやってみるのが良いと思います。

太い弦の方がやりやすい

より太い音を出すのは、太い弦の方がより変化が分かりやすいです。
太い弦の方がタッチのコツを掴むのに向いています。

私も試行錯誤中でして、1弦のローポジション位までは音が太くなるのですが、ハイポジションではそれ程音の変化が感じられません。

柔らかさが出ない


音を太くするところまでは私も到達出来たのですが、中々柔らかさを出せません。
私の友人がギターを弾くと、ギターの弦の感触がつきたての柔らかいお餅のようになります。
「このタッチを会得してから演奏が簡単になった」とのことです。

私が弾くと、少し太くはなるのですが、硬めのグミのような感触です。
太さもそうですが、柔らかさが圧倒的に足りません。

この辺を解消出来れば最上級の右手のタッチに到達出来るのですが、道のりは長そうです。
爪が硬いことも原因かもしれません。

練習量や時間ではない

「柔らかく太い音」は練習量で会得出来るようになるというものではなさそうです。

演奏者自身の指先の感覚と音に気付きがあれば、訓練時間に関わらずすぐに身に付く予感があります。
機械的な練習では、恐らく永遠に身に付きません。

柔らかく太い音を出す、まとめ

ややオカルト的にも思える内容なのですが、私は楽器の音がほんの数分で変化する様子を目撃しました。
ギターの弦のタッチに関する全ての要素をパラメータ化できれば「タッチによりギターの音が変わり、それが記憶される」ことも科学的にも立証できると思います。

音質を最大限まで改善することで、演奏家としてのレベルは大きく上がります。
もう少し精進して答えを探してみます。
私も模索中なので、まとまりの無い記事になりました。

最後までご覧頂き、誠に有難うございました。