演奏技術

前腕・上腕について。

ギターを演奏する際、前腕や上腕に対する意識はそれ程重要ではありません。
人間が手先・指先を使って何かをする際、その他の身体の部位は自然に追従するからです。
野球選手やテニス選手は指先やラケットのコントロールに集中しており、肘や肩の動かし方を意図的に操作しようとはしていません。

ギターを弾く「腕」の重要性は「指・手」に比べるとかなり低いです。
しかし、幼少期からギターを弾いてこなかった人(ギターを自然に弾けない人)程、「腕」からのフィードバックを活用しても良いと考えています。
凡人ならでは「腕」に目を向けた演奏改善を考えてみます。

ボロボロの演奏に、誓ったリベンジ


この記事を書くきっかけの話です。

何かしらの発表会やコンクールでの人前演奏等で、緊張によりボロボロな演奏をしてしまいました。
「この悔しさをバネに次こそは頑張ろう!」と決意を新たにします。
しかし、失敗した演奏会・コンクールに向けてそれなりに努力はしていたことと思います。

演奏が上手くいかなかったというのは、練習の量よりも質・内容を原因としています。
「次回はもっと練習を頑張ろう!」という反省しか出来なかった場合、その時点で次回も似たような失敗をすることが決定します。

余分なパラメータを減らしたい

緊張下では、正確なコントロールが出来なくなります。
震えにより動きはぶれ、力の調整が上手くいかず、練習時には知覚していなかった力みが生じます。

緊張による悪影響が少ない演奏を目指すために、練習の時点で演奏の内容に無関係な要素を極力排除するべきです。
理想は、演奏時に存在する力が「指先で弦を弾く力」のみになることです。

とはいえ、存在する力が「指先で弦を弾く力」しか無ければ、奏者は椅子から崩れ落ちてしまいます。
必要な力を残しつつ、余分な要素を減らしたいところです。
脱力しましょう。

肘が落ちた方が脱力しやすい

「脱力や弾きやすさ」を目標とする場合は、フォームとして肘が落ちていた方が有利と思います。

小さい動きであっても、肩で腕を持ち上げていると腕全体が力みやすくなるでしょう。
(肩凝りの原因にもなります)

弦に対する位置の確保で力む?

私は最近、トレモロ中に腕の力みを感じます。

トレモロは「手」と「弦」の位置関係がシビアな奏法です。
(タッチの深さ方向含む)

弦に対して弾きやすい位置に手を保持しようとする際、上腕や肘を持ち上げて固定しまうと力みやすくなるように思います。
緊張して震えた際に、「この場所に手を固定したい」と意識することも更なる力みの原因になるでしょう。

前腕に「適度な反力」を感じる

ギターを構える際、自然に肘を落とすだけで腕の重さによりギターは押さえつけられています。
この状態では、前腕でギターに力を加えているので、ギターに接している前腕は反力を受けています。

この「ギターが腕を押し返す反力」をモニタリングするのは案外使えるかもしれません。
前腕で反力を感じなくなったら、ギターから腕が浮いてきたということです。
つまり、肩で腕を持ち上げています。
反対に反力が強くなりすぎていたら、ギターをギュッと抱えすぎです。

前腕で弦に対する位置をコントロールする

弾きやすさだけを考慮するのであれば、肩周りをリラックスさせて肘を落とし、前腕主体で弦に対する位置をコントロールするのが良いです。
(この辺は、ほぼ全て友人に教えてもらった情報です)

ただし、前腕だけを動かす(肘を中心に)と1弦を弾く際はスルタスト(柔らかい音)、6弦を弾く際はスルポンティチェロ(硬い音)になります。

音色の変化が気にならない場面であれば前腕の動きだけで弦の移動を処理すれば良いです。
求められる音楽の内容に応じて、「肘から先だけを動かす」と「肘も動かす」を使い分けて弾きましょう。
(腕相撲は前腕を使ってはいけません)


アマチュアの凡人が緊張に耐えられる演奏をするには、こういった小さな改善を確実に積み上げていくしかないように思います。
自然に楽器を弾ける天才は、自然にやっていることかもしれません。

最後までご覧いただき、誠に有難うございました。