練習方法

ギターの名曲「アルハンブラ宮殿の想い出」を弾くためのポイント。

ギター曲「アルハンブラ宮殿の想い出」は誰もが憧れる名曲です。

グラナダにあるアルハンブラ宮殿の噴水をイメージして作曲されたと言われています。
(諸説あり)
憂いと明るさを兼ね備えたスペインの美があります。
長年「この曲を弾きたい」と思い続けている方は多いのではないでしょうか。

この記事では「アルハンブラ宮殿の想い出」を弾くためのポイントを紹介します。

「アルハンブラの想い出」のテンポについて

「アルハンブラの想い出」は奏者によりテンポが異なります。
この曲は特にテンポによって印象・難易度が変わってきます。

トレモロの名手パク・キュヒ氏は8分音符で160位でしょうか。
(テンポの速い箇所、遅い箇所がありますので、数字は参考程度です)

猪居亜美氏は8分音符で150程度です。
パク・キュヒ氏に比べテンポを大きく変化させる演奏で、趣があります。

ジョン・ウィリアムズ氏は8分音符で170~180程度です。
パク・キュヒ氏とはまた違った種類のトレモロの名手と言えそうです。

デヴィッド・ラッセル氏は8分音符で160程度、テンポを揺らすタイプの演奏です。

ナルシソ・イエペス氏の演奏は、最も速い部分では8分音符で210~230程度です。
速すぎてもはや参考になりませんので、無視しましょう。

トレモロで目指すテンポは?

amiで弾くトレモロの上の声部は「ンパパパンパパパ・・・」を繰り返しています。
トレモロがある程度の速度を超えると、休符の「ン」の部分が聴き取りにくくなり、音が持続して聴こえます。
このテンポを超えることを目標にしたいです。

弾く人の音の個性や楽器によっても違うと思いますが、私の場合は8分音符で150~160前後から音が連続して(休符を感じずに)聴こえるようになります。

最低限のテンポは?

個人的な見解ですが、この曲を聴き慣れていない人に聴かせるなら8分音符で100~110位でもトレモロとして認識してもらえるように思います。

8分音符で90位のテンポになってしまうとamiが連続していない(一本ずつ弾いている)ような印象が強くなってしまいます。
発表会等の人前で弾くことは難しいかもしれません。

また、8分音符で120を超えたあたりから親指pで弾く音が8分音符として機能するように思います。
(遅い場合、4分音符に聴こえる)

弦以外でトレモロしてみる

右手で弦でない何か(左手や腕や足)でトレモロしてみましょう。
弦の抵抗がなければ、かなりの速度が出せるのではないでしょうか。
このエアートレモロ状態でのテンポまでは、努力と工夫によって到達できます。

エアーの状態で速度が出るのに、弦では出来ないという方はどこかに改善すべきポイントがあります。

「ひよこを撫でるように」を解剖する

トレモロの名手パク・キュヒ氏が、トレモロの弾き方に関して「ひよこを撫でるように弾く」という名言を残しています。
また、「塩などの調味料をまぶすように」といった言葉も聞いたことがあります。

これらの言葉の意味を考えてみます。

全てプランティング(振りかぶらない、振り抜かない)

トレモロを弾く際の指は、全てプランティングの感覚で弾きます。
親指pも、その他のamiも全てです。
プランティングとは「指を弦にセットし、その後に弦を弾くこと」を指します。
「指は振りかぶらない・振り抜かない」です。

「プランティングしたら音が止まるのでは?」と思うかもしれません。
また、「プランティングして指を振り抜かないと音は出ないよ!」と思うかもしれません。

プランティングは瞬間的なので、音は止まっているようには聴こえません。
指先の抵抗がなければ、振り抜かなくても指は自然に弦から抜けるので、音は出ます。
弦を捉えることに集中することでミスも減ります。

爪が最重要

指先と弦の間に抵抗がある場合は「振りかぶらず、振り抜かずのプランティング」が出来なくなります。

つまり、トレモロが出来るかどうかにおいては爪が最重要です。
重要すぎて「トレモロは爪が9割」という本が出るかもしれません。
(出ないかもしれません)

爪が整っていれば、弦を押した直後から意識しなくても弦が指から離れていきます。
爪と弦の抵抗が極限まで無くなることで、弦を弾かない状態に近い速度でトレモロ出来ます。

音量は妥協(初めは特に)

トレモロの練習を始める場合、最初は音量を妥協しても良いでしょう。
タッチの深さのコントロールが出来ていない状態で大きい音を出そうとすると、弦に引っかかり過ぎる可能性があります。
(爪さえ完璧なら、あまり引っ掛かりません)

また、高音側は連続して音を出しますので、音量が小さく感じにくいです。
減衰した低音の音量よりも、高音の音量が大きいのです。

トレモロの力みの原因

右手が力んでいると弦の抵抗をモロに受けて、手がぶれてしまいます。

親指が反っている

トレモロの低音を受け持つ親指が反っていると、力みが生じてしまいます。

トレモロにおいて「親指の動きが大きい」こともNGとされています。
親指の動きが大きくなることも、「親指が反る」ことでコントロールを失っているのが原因かもしれません。

親指で弾く音も音色と音量のコントロールを大事にしましょう。
(弦との接触面積やリリース速度)
力んでしまうと指先の感覚を失います。

腕が浮いている

弦に対するamiの位置を調整することに集中しすぎて、腕がギターから浮きがちになっている場合があります。
トレモロで懸命に指を動かしている最中に、腕を空中で保持していると疲れます。

右腕は自然にギターに預けましょう。

amiのどれかの第一関節を曲げている

トレモロの際、弦の抵抗を第一関節を曲げて逃がそうとするケースがあります。

一概には言えませんが、私はトレモロ中は第一関節を曲げない方が良いと思っています。
第一関節を曲げなくても、そもそも抵抗の無い爪を作るべきです。

小指側に爪の山を作っている人が、第一関節を曲げてトレモロする場合を考えます。
リリースの時点で爪と弦が垂直になり、山が弦に対して抵抗となる可能性があります。
抵抗を逃がそうとして指を曲げたのに、逆効果になることもあるのです。

「1弦と2弦」どっちが難しい?


「2弦のトレモロは1弦に指が当たってしまうので難しい」と言われています。
しかし、爪を整えてトレモロを習得した状態になると、この頻度はかなり減ります。
(緊張したら当たるかもしれません)

最終的には1弦のトレモロの方が難しくなるように感じます。
1弦は粒立ちが良いので音の間隔や音色が均一でないことがバレやすくなります。
爪と弦の当たる音も目立ちます。

トレモロが出来るようになった段階では、「1弦と爪の接触音を消す」ことを意識すると良いかもしれません。

「アルハンブラの想い出」トレモロのコツまとめ

  • 爪が最重要(引っかかったらほぼ弾けない)
  • プランティングの感覚で弾く(振りかぶらず、振り抜かず)
  • 親指は反らさず、緻密にコントロールする
  • タッチの深さや指が弦に当たる位置を感じる

今回の記事ではトレモロが弾けるようになるコツをまとめました。
様々な練習方法(この記事で紹介していない)にも効果はありますが、気持ちの方が重要かもしれません。
理想のイメージを持ち、音を聴き取って、指先の感覚で音を修正していく作業です。
理論と気持ち(理想を実現したい)のバランスを大事にしましょう。

最後までご覧頂き、誠に有難うございました。