初心者向け

初心者におすすめのクラシックギターを値段別に紹介する。

この記事では、初心者におすすめのクラシックギターを値段別に紹介します。
著者はギター歴10年以上、300万円のギターを所有しているクラシックギター専門家です。
(このブログのトップ画像は知人の楽器でして、500万円以上の価値があります)

ネット上の初心者向けクラシックギターに関するまとめ・ランキング記事を読みました。
クラシックギターの知識が無いライターが専門家を名乗って執筆しています。
そのため、ギターに関する情報の信頼性が非常に低いです。
私が見つけた誤情報は以下の通りです。

  • クラシックギターのネックが太いのは、弦同士がぶつかるから
    (ぶつかりません)
  • ラッカー塗装は使えば使う程、音が良くなる
    (悪くなります)
  • ナイロン弦はスチール弦より柔らかく押さえやすいので、弦高は気にしなくても良い
    (弦高は音色に影響を及ぼします)
  • ヤマハのギターは安定感があって音がブレない
    (そもそも音がブレるとは?)
  • 松(スプルース)はほとんどがシトカスプルースを指す
    (安価な楽器はそうかもしれませんが、様々なスプルースがあります)

このように、あまりに間違った情報が多いため、クラシックギターマニアとして初心者におすすめのギターを紹介することにしました。

今回の記事が皆様のギター選びの参考になれば幸いです。

初心者向け、クラシックギター選びのチェックポイント

選ぶ前に知っておきたい基礎知識を6つ紹介します。
(新品で買うのであれば、割れのチェックは必要ないでしょう)

① ギターに使われる木について

表面板

ギターは、表面板が弦の振動を受け止めて振動し、音を鳴らします。
そのため、音色の個性を決める最も大きな要素は表面板です。

クラシックギターの表面板には、松(スプルース)と杉(シダー)が使われます。
白や黄色なら松(スプルース)、茶色っぽいなら杉(シダー)です。
本来は、松と杉の中でも種類が細分化されますが、安いギターではわざわざ種別を記載しません。

  • 松(スプルース)
    輪郭のはっきりしたクリアで明るい、分離の良い音
    楽器によっては音が伸びる、抜ける
    塗装で色は変化しますが、下記のような色です。


杉(シダー)

  • 音の芯は細いが、芯を包む暖かみがある
    音が太く、音量が大きい
    スプルースよりはタッチに敏感過ぎない
    下記のように、杉は元々の色が濃いです。


ヴァイオリンやチェロと同じく、高級な楽器は松(スプルース)が多いです。
近年の画期的な構造のギターには、杉(シダー)も頻繁に使われています。

松(スプルース)の楽器の方が音の熟成・変化が楽しめます。
ただ、安い楽器はポリウレタン塗装でがちがちに固められています。
セールストークで言われる程、大きくは変わりません。
杉(シダー)だから寿命が短いということもありません。

初心者向けの安価な楽器であれば、杉(シダー)をおすすめします。
安価な楽器で松(スプルース)を採用すると「音量がない」「安いので松の上品さが感じにくい」ことが多いです。

裏板・横板

最もギターの音に影響するのは表面板ですが、裏板・横板の材料も音に影響します。
安価なギターは横板・裏板を選べません。
自動的に決まるのであまり気にしなくても良いでしょう。

最も安価な楽器ではマホガニーやメイプル、それ以上になるとローズウッドが使われます。
マホガニーやメイプルはアタック感の少ない優しい音です。
ローズウッドは音量は増しますが少し野性的な音になります。

② 標準より短いショートスケールについて

クラシックギターの弦が張られている部分の長さ(弦長)は標準で650mmです。
それより弦長の短い楽器をショートスケール(640mm、630mm)と呼びます。
安価な620mm以下の楽器は子供向けです。
(遊び用として子供向けサイズを使うのも良いと思います)

650mmが640mmになったとしても、そこまで違いは分かりません。
630mm位から弾きやすさに違いが出ます。
手が小さい女性であれば、630mmのショートスケールを買うのは「あり」です。

ショートスケールは、サイズに加えて弦の張りも緩くなります。
メリットはあるのですが、あくまで特殊なスペックになります。
ショートスケールから選ぶことで、楽器の選択肢が少なくなることは理解しましょう。
(結局、音が大事です)

③ ネックの状態が最重要

左手で握るギターの棒状の部分をネック(棹)と言います。
ネックが反ってしまうと、取り返しが付きません。

この部分は購入前に確認するか、購入後の返品が可能なうちにチェックしましょう。
ごく僅かな順反りが理想です。
弦とフレット(指板)が遠ざかる方の反りが順反り、
弦とフレット(指板)が遠ざかる方の反りを逆反りと言います。

本来はネックが反っても修理が可能です。
しかし、安い楽器では本体と同じくらいの修理価格になってしまう可能性があります。
(1~2万円位でしょうか)

④ 弦高もかなり重要(後から調整できる)

クラシックギターに限らず全ての弦楽器において弦高は非常に重要です。
弾きやすさだけでなく、音色、弦のテンションの感じ方にも影響を及ぼします。
クラシックギターの価値は、調整により決定すると言っても過言ではありません。

弦高は、ネックと違って後から調整することが可能です。
ナットとサドルと呼ばれる骨(牛や象)が弦を受け止めていて、この部分を削ることで調整します。

出来れば、調整が可能なショップやギター工房が近くにあると良いです。
DIYが得意な方であれば、自分で削って弦高を低くすることも可能です。
ネット上で500~1000円位でナットやサドルの材料を購入できます。

⑤ エレガットも「あり」

マイクが内蔵され、スピーカーと接続できるエレガットを選ぶのも「あり」だと思います。
(ギターを構えたときの横板の上に、下のパネルが見えます)

私はアリアというメーカーのエレガットを持っています。
5万円程度の安価な楽器であれば、側面にイコライザー等の機材が付くことのデメリットをあまり感じません。
(結局、エレガットとして使ったことは無いです!)

注意して欲しいのが、ナットの幅です。
クラシックギターのナットの標準幅は52~53mmです。
(アコースティックギターのナット幅は44~45mm)
ナット幅が狭くなると、複雑な運指が押さえにくくなり、ソロ演奏向きではありません。
よりグレードの高いギターへの持ち替えも難しくなります。

アコースティックギターと持ち替えたりするのでなければ、「クラシックギターの標準幅」のナットを選んでほしいのが本音です。
(手が小さい女性のプロ奏者も標準幅で弾いています)

⑥ 塗装や飾りは音を悪くする

「クラシックギターの見た目はどれも同じに見える」
そう思ったことは無いでしょうか。
生音の楽器は、過剰な飾りや厚すぎる塗装により音が悪くなります。
音を優先すると、見た目重視の装飾はできません。

「黒く塗装された楽器が欲しい」
と思うかもしれませんが、音の観点からは絶対にやめておいた方が良いです。

価格帯毎のおすすめギターブランド

「VALENCIA(バレンシア)」は買ってはいけない

「VALENCIA(バレンシア)」という1万5千円以下で買えるクラシックギターがあります。
このメーカーは買ってはいけません。

音量が小さく、音が抜けず、ネックも反りやすいです。
強く弾いても、音に反映されません。

1万5千円という価格を考えればこんなものかと思います。
しかし、もうちょっと出すと次に紹介する「アリア」が買えます。
「VALENCIA(バレンシア)」はギターの楽しさが味わえません。

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2~6万円のおすすめ「アリア」

安価な価格帯の楽器で最もオススメなのが「アリア」のギターです。

通常、安価な楽器は工業製品で楽器としての個性に乏しいですが、アリアのギターは独特の太い音色を持っています。
やや大雑把な音ですが、音量も大きくこの値段でギターの魅力が味わえるのは素晴らしいです。

「少し身体に悪そうだけど、癖になる食べ物」みたいなものでしょうか。
中途半端に高くてそっけない楽器よりは、安いアリアの方が好きという方もいます。
安いグレードでも「アリア」らしさが味わえますが、値段が高くなっても劇的に良くなる訳ではないです。
そのため、個人的なオススメは6万円程度までとしました。

アリアの中でも最も安価なグレードは、それ程作りは良く有りません。
長時間放置するとネックが反りやすいです。
頻繁に弾いてあげると、楽器は良い状態を保ってくれます。

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3~7万円のおすすめ「ヤマハ」

次におすすめしたいのが「ヤマハ」のクラシックギターです。
大手の楽器メーカーですが、クラシックギターでは特別優れている訳ではありません。
最安価のグレードを買うなら「アリア」の方がおすすめです。

昔のヤマハのギターは「スペインのギター」に準拠しており、重めの鈍い音で弾き手との相性を選ぶ楽器でした。
現在のヤマハのギターは、木の音色がそのまま現れたすっきりしたやや細めの爽やかな音です。

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太い音で陶酔して弾きたいなら「アリア」ですが、右手の弾き方で繊細に音が変わる様子を楽しみたいなら「ヤマハ」の5万円前後の楽器がオススメです。
品質は良く管理され、狂いは少ないです。

6~10万円のおすすめ「小平(コダイラ)」

「小平(コダイラ)」は長野県諏訪市に工房を構えるクラシックギターメーカーです。
ここから、クラシックギターの入門として本格的なグレードになります。
こちらは小平ギターの紹介ページです。

職人の手作業により作られた楽器は、5万円以下のギターに比べて雑味がなく、とても良く鳴ります。
抜群に作りは良くなりますので、通常の使用方法ではネックの反り等を心配しなくても良いでしょう。

表面板が松(スプルース)のモデルは、音は綺麗で上品ですが鳴りが大人しい印象です。
個人的にはパワフルな杉(シダー)のモデルをオススメします。

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昔は「小平(コダイラ)」と肩を並べる「松岡(マツオカ)」というメーカーもありましたが、2014年に廃業しています。
日本のギターメーカーが無くなってしまうのは個人的にとても寂しいです。

番外編 ヤマハのギタレレ(約1万円)もおすすめ

筆者はクラシックギターマニアですが、もっと多くの人に気軽にクラシックギターに触れて欲しいと思っています。
高い楽器を買わなくても良いし、教室に習いに行かなくても良いのです。

そこでおすすめしたいのがヤマハのギタレレです。
その名の通り、ウクレレ並みのサイズを実現しています。
価格も安く、それでいて音も中々良いです。

ボディサイズは小さいですが、指板幅は48mmです。
アコースティックギターより太いので、ソロギターでの用途を考えたサイズです。
この点もポイントが高いです。

小型なので、キャンプや屋外に持ち出したり、車内で使うのにもおすすめです。
上達してより高価な楽器に乗り換えたとしても、別の用途でタフに使えます。
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初心者におすすめのクラシックギターまとめ

安価にクラシックギターを初めたいなら「アリア」がおすすめです。
5万円前後なら、音に張りとしなやかさのある「ヤマハ」がおすすめ。
本格的なグレードの楽器が欲しいなら、「小平」か「アランフェス」から選ぶと良いでしょう。

「どこまで本気でやるか分からない」という方は、ヤマハのギタレレを買ってみるのもアリです。
1万円程なので、迷っている時間がもったいないレベルです。

一緒に素敵なギターライフをエンジョイしましょう!