曲紹介

F.タレガのエンデチャオレムスを解説する。

先日参加したアマチュアギターコンクールでは、最終予選(本選前の最後の予選)の課題曲がF.タレガのエンデチャオレムスでした。

演奏の際、指はしこたま震えましたが、本選に比べれば良い演奏が出来ました。

今回の演奏に当たり、工夫した点やチェックポイントを書きます。

運指

これはレッスンで教わったのではなく、自分で考えましたので、公開しても問題ないかと思います。

エンデチャに関しては、下記の部分の運指を工夫しました。

ほとんどガイドフィンガーor空いている指による空中での待機が出来ており、かなりミスする確率が低い運指でした。
この部分が切れていた方、切れるものだと思って弾いていた方は予選通過は厳しかったように思います。

画像の1段目の2小節目、1を軸にして手を回転させて34を押さえます。
この回転の動きを意識して練習していないと、いつまでもミスがなくなりません。
Fの音は右手で消音します。
2段目の1小節目1拍目の裏拍で、私は手が小さいので最初から3を置いてしまっています。
2段目の1小節目の最後の和音は、どちらかというと斜めのフォームが好きなので、3でなく2の指に直しています。

私は和音の押さえ替えがとても下手で、度胸も無いので、ガイドフィンガーに頼らないとやっていられません。

その分、左手の不安は少なかったですが、右手にはかなり気を使いました。
具体的には以下の2点です。

  1. 単音のアポヤンド→和音への切り替え
  2. 親指(P)による複数弦(4~6弦)の消音→和音へ切り替え

オレムスに関しても、なるべくガイドフィンガーを採用するようにしました。
画像の1段目の指を32に直した箇所(元々C.8の部分)は、セーハをするとどうしても動きが重くなるので変えました。
32をねじ込むと、押さえていた1のピッチが上がってしまうので、あえてフレットよりでなく少しヘッド側を押さえて、32を取る際に回転させて1をボディ側に僅かに引っ張ります。
後はひたすら3をガイドフィンガーとして下りていきます。

またバスがGから半音階でAまで上げる部分は個人的に音を繋ぎたかったので、ここはかなり難しい運指にしました。

前後の音色を考えると、3弦開放弦のGは使いませんでした。
難しくてどうしようもなければ使ったと思います。

リスクを下げられる部分は下げ、こだわる部分は難易度度外視でこだわった運指です。

どれくらい崩す(歌う)のか

あまり審査には影響しなかったようですが、これは事前のレッスンで習っている先生に指摘いただいた内容です。

エンデチャオレムスが日本に普及した際は、完全に崩す弾き方で曲が知れ渡っており、その影響が残っている方も多いというお話でした。

私の先生が留学した際にその弾き方を試してみたところ、「そこまでの自由はお前に無い!」とお叱りを受けたとのことです(笑)

コンクールでは、どちらの考え方の先生に審査を受けても良いように、端正な弾き方と自由に崩す弾き方の間を取りましょう、との話になりました。

丁度、じじいサマースクールで購入した上野先生のCDをよく聴いていて、インテンポの端正な演奏も素晴らしいと思っていたところでした。
(大きくテンポは崩していないながらも、ロマンは的なアウフタクトの処理がとても美しい演奏です)

レッスンでは、冒頭から和音の連続に至るまでの音型も「上昇からの報われなさ」や「下降による力が抜けたような悲しみ」が表現されており、あまりこねくり回さない方が良さが出ます、という指摘を頂きました。
重要なのは、オリジナルのリズムを大事にして、上記の赤い丸のフレーズの切れ目で完全に終わりきらないということでした。

タレガの唯一残っている自演のマリーアも、リョベートやセゴビアと違って端正ですよ、という指摘でした。
現代ギターのタレガの演奏に関する記事です。私もまだCDを買っていません)

一緒にコンクールに来ていた知人の感想で「他の参加者と違ってオリジナルのリズムの良さが出ていてドキッとした」とコメントを頂いたので、評価に影響しなかったとしても個人的には満足しています。

その他のチェックポイント

その他、指摘いただいた点は以下の箇所でした。

垂直なアポヤンドを避ける

右手の指を垂直にスパンと抜くアポヤンドをすると、音色が均一になるので、各弦が持っているギター本来の音色を活かせません。
セゴビアが使っているような、強すぎない膨らむ音色を使いましょう、とのことでした。

オレムスの後打ちの音を繊細に弾く

オレムスの後打ちのバスは、4弦と5弦の音色の差を小さくするよう指摘がありました。
そうすると、太い低音弦の存在感が薄れ、メロディが際立ち、ドカドカした様子にならないとのことです。

今回の記事は以上となります。

本選はボロボロだったのですが、最終予選のエンデチャオレムスは準備してきたことを出し切った実感はありました。
(たった一度しかレッスンを受けていないので、やり切ったも何も無いのですが)

ギターの持つ弦ごとの個性を引き出している素敵な曲なので、今後もレパートリーとして維持したいと思います。

最後までご覧頂き、誠に有難うございました。